アメリカの弾道ミサイル発射実験は“中国へのメッセージ”

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月13日放送)に自民党参議院議員の佐藤正久が出演。アメリカが行った弾道ミサイルの発射実験について解説した。

ホワイトハウスで、記者団に話すドナルド・トランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2019年10月3日 写真提供:時事通信

アメリカがINF条約の失効後2回目の弾道ミサイル発射実験

アメリカ国防総省は12日、アメリカとロシアの間の中距離核戦力(INF)全廃条約で制限されていた地上発射型弾道ミサイルの発射実験を行ったと発表した。アメリカによるミサイルの発射は8月のINF条約の失効後2回目ということになる。

飯田)アメリカとロシアの間の条約ということで、ロシアに対して云々ということも報道されていますが、どうご覧になっていますか?

米国のICBMLGM-118A ピースキーパーの発射実験によりクェゼリン環礁に落下する再突入体(大陸間弾道ミサイル-Wikipediaより)

中国に向けてのもの

佐藤)これは完璧に対中国ですね。

飯田)対中国。

佐藤)中国がアメリカとロシアの中距離弾道ミサイルの条約の外にいたため、無法図にどんどん中距離ミサイルを開発して来た。これは看過ならないということです。中国のミサイル開発によって、アジア太平洋における防衛バランスが崩れてしまった。ワシントンD.C.に行っても、いまは北朝鮮というより、中国に対してどうやってアメリカが自分の立場、価値観を守るのかという議論がほとんどです。

飯田)中距離というものの定義は、1000キロ以内とか。

佐藤)500キロ~5500キロです。500キロ未満が短距離で、500キロ~5500キロが中距離、5500キロを超えると大陸間弾道と言われるような長距離になります。5500キロというのは、一説によるとモスクワからワシントンD.C.までの距離が5500キロであるから、それを超えるものを大陸間弾道弾と言うとのことです。中距離核と言っているけれども核ではなくて、普通の弾道ミサイルの地上発射式、あるいは巡航ミサイルがこの対象でした。今年(2019年)、北朝鮮はロシアから入って来たと言われる、イスカンデルタイプのKN23を4回撃っています。ロシアはこのミサイルを500基以上持っていました。アメリカはそれが問題だということを理由に、INF条約の離脱をしたわけですけれども、北朝鮮は同じものを持っているし、中国はもっと持っています。

飯田)中国は種類も多いですし、長さもいろいろあるということですか?

調印時の写真。ミハイル・ゴルバチョフとロナルド・レーガン(中距離核戦力全廃条約-Wikipediaより)

中国に対抗してアジア太平洋地域にミサイルの配備を検討するアメリカ

佐藤)ええ。中距離ミサイルに対抗すると言っても、アメリカは日本にもハワイにもグアムにも韓国にも、中距離ミサイルを持っていません。

飯田)この条約があったから。

佐藤)はい。だからバランスが崩れているのですよね。いまアメリカはどういう形で、中距離ミサイルをアジア太平洋地域に配備しようかと検討していますが、能力がなければ対応できませんから、実験を始めたということだと思います。

飯田)条約によって実験も禁止されたのが、80年代の終わりくらいからです。やはり、そこの部分での技術差がかなりついてしまったということですか?

佐藤)そうですね。当時の中国には、それほど技術力がありませんでした。アメリカの相手はソ連、あるいはロシアでしたから。しかし、いまはロシア以上に中国が大きなウェイトを占めています。米中貿易戦争と言われていますけれども、あれは2階建てになっていて、上物は貿易の赤字をいかに解消するかですが、実際の土台は中国の産業構造をいかに変えるかと。つまり、特定の企業への莫大な産業補助金や、知的財産を盗んだり、アメリカ企業が中国に進出した場合、技術を強制的に移転させる。そういうものをなくさないと、アメリカの技術的な地位が失われてしまう。ある分野では、すでに中国に抜かれていますから。例えば私も驚いたのですが、中国がアメリカに先んじて月の裏側に着陸したのです。すごい技術です。地球から見て、月の裏側は通信が通じないのです。

飯田)月自体が邪魔になってしまって。

佐藤)中継の衛星がなければ、電波が届きません。中継の衛星を用いながら着陸させたのです。アメリカは「これはまずい」ということで、月へのプロジェクトも開始すると発表しました。中国がどんどん出て来ているので、非常に警戒しているようです。

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