安倍総理と電話会談をするトランプ大統領の実情

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。安倍総理とトランプ大統領が電話会談を行ったニュースについて解説した。

安倍総理と電話会談をするトランプ大統領の実情

ホワイトハウスで、記者団に話すドナルド・トランプ米大統領(アメリカ・ワシントン)=2019年10月3日 写真提供:時事通信

安倍総理とトランプ大統領、75分電話会談

安倍総理大臣は21日夜、アメリカ側の要請でトランプ大統領と電話会談を行った。緊張が高まる北朝鮮情勢をめぐって意見交換し、日米の緊密な連携を改めて確認したとみえる。

飯田)北朝鮮側はアメリカとの交渉期限を、一方的に年末と設定しています。

安倍総理と電話会談をするトランプ大統領の実情

民主、急進左派が直接対決 =2019(令和元)年7月30日、米デトロイト(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

大統領選挙に突入しているタイミングでの北朝鮮の動き

須田)交渉期限を年末というのも、微妙なところです。アメリカ国内はもうすでに、実質的な大統領選挙に突入しています。内向きになっている状況なので、外交問題や安全保障問題に新たな手を打つことは難しい。トランプ大統領としては、嫌なタイミングでの北朝鮮サイドの動きだと思っていることは間違いありません。

安倍総理と電話会談をするトランプ大統領の実情

29日付の北朝鮮の労働新聞に掲載された「超大型多連装ロケット砲」の試射(コリアメディア提供・共同)=2019年11月29日 写真提供:共同通信社

効いている北朝鮮の揺さぶり

須田)2点目としては、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験です。実際に飛ばすとなると、完全にレッドゾーンを超えてしまう。核爆発の実験もレッドゾーンを超えます。北朝鮮はこの2つについて、2018年の米朝首脳会談以降、すべて封印して来た。それを再開するということは、2018年以前に状況を戻すということになるので、「それでもいいのですか?」「これまでのすべてのやりとりが、水泡に帰してしまいますよ?」と。アメリカ大統領選挙のなかで、一寸刻みで燃焼実験をやっているということは、揺さぶりが効いているはずなのです。このタイミングが北朝鮮にとってアメリカからの譲歩、譲歩というのは国連の経済制裁ですが、その譲歩を得るチャンスなのです。制裁は相当効いていますからね。一部報道では、北朝鮮の労働者10万人程度をロシアや中国に派遣しているのですが、普通の旅行者の旅券ではなく、公用旅券で派遣しているということです。

飯田)公用旅券で、10万人も出しているのですか?

須田)技術研修者という名目で出しているのです。国連は22日までに派遣をやめろと圧力をかけているようですが、公用旅券で技術研修者だから、ある意味で外交官なのです。

飯田)公用旅券なら、そういうことになってしまいますよね。

安倍総理と電話会談をするトランプ大統領の実情

南北軍事境界線がある板門店で握手するトランプ米大統領(左)と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長=2019年6月30日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

経済的に厳しい北朝鮮の状態

須田)だから国連も、制裁対象外にせざるを得ない。北朝鮮はこれで年間に数百億円を得ています。アメリカはそういう認識を持っているけれども、そのキャッシュが入っているわけではなく、中国あるいはロシアからの、物資輸入の決済として使われているのです。ですから北朝鮮に送金しているのではなく、北朝鮮の国境外で使われているというのが実態です。ただ、それが北朝鮮経済を下支えしているのは間違いありませんから、これをどうするのかという問題があります。また実体経済がどんどん地盤沈下しているなかで、北朝鮮がいつまで持つのかというところもあります。

飯田)その辺は北朝鮮、金正恩氏サイドとしても、かなり危機感のあるところですね。

須田)北朝鮮は国家を挙げてハッキング、偽札、薬物・麻薬を生産していると言われています。偽札と麻薬については国連の制裁決議が効いていて、外部への持ち出しができなくなっています。伊豆の下田で6月、中国から覚せい剤が相当数入って摘発されました。なぜ中国から入って来たかと言うと、北朝鮮ルートが遮断しているからなのです。

飯田)そうなると、中国側から持って来る以外の方法がないと。

須田)香港経由で入っています。

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