ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第770回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

 

今回は、1月31日公開の『男と女 人生最良の日々』を紹介します。

ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

“愛の伝道師”クロード・ルルーシュ監督が紡ぐ、新たなラブストーリー

1966年に制作され、世界中が心を奪われたフランス映画の傑作『男と女』。男女の機微を見事に描き出し、いまなお根強いファンを世界中に持つ、恋愛映画の金字塔的作品です。

第19回カンヌ国際映画祭では最高賞“パルムドール”に、そして第39回アカデミー賞では最優秀外国語映画賞に輝いた不朽の名作の53年後を描いたのが、『男と女 人生最良の日々』。

当時のスタッフ・キャストが再集結。前作の主演アヌーク・エーメとジャン=ルイ・トランティニャンが同じ役柄を演じ、過去の映像を散りばめつつ、2人の愛の軌跡を紡いでいます。

ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

かつてはレーシング・ドライバーとして一世を風靡したジャン・ルイ。いまは、とある海辺の施設で余生を送り、輝かしいころの記憶を失いかけていた。そんな父を心配する息子のアントワーヌは、ある決意をする。それは、父が長年愛し続けて来た女性アンヌを探し出し、2人を引き合わせることだった。

アントワーヌの思いを知り、ジャン・ルイの元を訪れるアンヌ。そばにいる女性がアンヌだとは気付かず、彼女への思いを話し始めるジャン・ルイ。

いかに自分が愛されていたかを知ったアンヌは、ジャン・ルイを連れて、思い出の地であるノルマンディーへと車を走らせる。長い空白の時間を2人で埋めるために…。

ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

『男と女』を手がけた当時、メガホンを取ったクロード・ルルーシュ監督は26歳。自ら借金をして、ひとりでプロジェクトを立ち上げて完成させた自主映画でした。

そういった経緯で製作された作品が、これほどまでに多くの観客に支持される有名な映画になるとは。誰もが予想だにしなかったことでしょう。ルルーシュ監督は当時を振り返りながら、次のように語っています。

「『男と女』は、愛について悩んだことがある人なら、誰でも共感できる映画だ。そして『男と女 人生最良の日々』は、お互いの心に残った記憶についての物語。『男と女』を見ていない人の心にも響くものにしたかった」。

クロード・ルルーシュ監督の言葉どおり、過去と現在の映像を巧みに組み合わせることで、彼らの人生の“瞬間”を鮮やかに切り取り、情感あふれる美しい物語が完成しました。

ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

そして、本作を語るのに外せないのがテーマソング。作曲したフランシス・レイは、クロード・ルルーシュ監督をはじめとする多くの映画監督とタッグを組み、100本以上の映画に600曲以上を提供。映画音楽において、フランス人として最高の売り上げを記録している作曲家と言われています。

本作のために「The Best Years of a Life」と「My Love」の2曲を新たに完成させた彼でしたが、2018年に逝去。これが最期の作品となりました。

あの「ダバダバダ…」というスキャットが印象的な甘いメロディーとともに、“愛し続けることの奇跡”を堪能して。

ダバダバダ…のメロディーに乗せて、男と女が再び出会う…

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

『男と女 人生最良の日々』

2020年1月31日(金)からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国ロードショー
監督:クロード・ルルーシュ
音楽:カロジェロ、フランシス・レイ
出演:アヌーク・エーメ、ジャン=ルイ・トランティニャン、スアド・アミドゥ、アントワーヌ・シレ、モニカ・ベルッチ
(C)2019 Les Films 13 - Davis Films - France 2 Cinéma
公式サイト http://otokotoonna.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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