新型コロナウイルス~海外からの認識は「日本も武漢も同じ」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月17日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。新型コロナウイルスによるクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客にたいする日本の対応について、海外からの批判も含めて解説した。
クルーズ船のアメリカ人乗客、チャーター機で帰国
新型コロナウイルスによる集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のアメリカ人の乗客などを帰国させるためのチャーター機が17日、羽田空港から出発した。
飯田)16日午後10時半ごろ、チャーター機が羽田空港に来て、未明に自衛隊のバスでアメリカ人の方々が羽田空港に移動したというところまでは報じられておりましたが、17日朝方に羽田空港を出発したということです。一方で、武漢からの日本人の退避チャーター機は17日に第5便が出発しましたが、これも羽田空港に到着したということです。
アメリカでは日本の対応に批判が出ている
須田)14日辺りから大統領選絡みで、アメリカのメディア関係者複数と電話取材等々をさせていただきました。アメリカ国内では、日本側の対応に対して相当強い批判や不満が出ています。日本の対応にはミスがあるという言い方をしている関係者が多い。「クルーズ船を閉鎖して、適切な対応をとっていないではないか」など、感染者とそうでない人たちを分けずに閉じ込めておくのはいかがなものかという批判が出ていました。
飯田)クルーズ船のなかで完全に隔離しているのかと言えばそうではなくて、時間を決めて外に出ることはできる。すると、そこでまた感染が広がる可能性も指摘されていますが。
須田)日本は感染ルートを遮断するために、湖北省からの入国を禁止しています。省単位でしかできないということで、そういう対応を取っているわけですが、それとは関連なく国内で人から人への感染が出ている。出ているにも関わらず、その対応に縛られているという状況があります。そして、それがそのままクルーズ船にも適応されているということです。クルーズ船のなかで検査をするにしても、検査体制が整っていないため、全員やって結果が出るまで時間がかかってしまうということもあり、物理的にできない状況にあるのでしょうね。ところが国内においては武漢だけということになっていますから、それがそのまま適応されてしまっていて、後手に回っているのではないかと思います。
海外では日本も武漢と同じだという認識を持っている
飯田)カナダや香港もチャーター機を出して、自国民を連れて帰るという動きになっています。国際的な信用という面でも、日本は相当傷ついたのではないでしょうか。
須田)もちろんそうですね。外から見ると、日本への対応は中国に対してやっている対応と同じです。チャーター機を派遣して、武漢でやっていることと一緒ですよね。日本も中国と同じような状況だという認識が広まりつつあるということです。
飯田)「ダイヤモンド・プリンセス」の船籍がイギリスだから、日本政府は対応できないと言う人もいましたけれども、私が取材したところでは、日本の領海に入っているので基本的には日本の主権が及ぶところです。イギリスの法律とぶつかるところはあるけれども、基本的になかに入ってしまったら、日本にとってのリスクになるから、日本が主権を行使する国際法上の裏付けもあると指摘する識者もいます。
須田)領海内ですから、日本の主権で対応しないと。今回は感染症ですが、それ以外、例えばテロなどのリスクが発生したとき、その対応をするのは主権国である日本です。そういう点で言うと、日本が主導権を握ってやるべきです。横浜港を管理する公安管理が船に新聞を運びこんだり、情報発信をする対応をしていますが、そのような民間の支援には限界がありますからね。やはり公的機関がやらなければいけないと思います。
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