“生ける伝説”テレンス・マリック監督を駆り立てた男の『名もなき生涯』

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第784回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

 

今回は、2月21日に公開された『名もなき生涯』をご紹介します。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

愛とは、信念とは…平和への祈りが魂を震わせるヒューマン・ドラマ

オーストリアの山と谷に囲まれた美しい村、ザンクト・ラーデグント。農夫として働くフランツは、妻のファニと3人の娘と一緒に、穏やかで幸せな日々を送っていた。

しかし第二次世界大戦の戦火が激しくなり、フランツにも召集令状が届く。エンス基地に出頭したフランツは、ヒトラーと第三帝国への忠誠宣誓を拒絶し、ただちに逮捕されるのだった。

非国民と責められ、孤独に耐えながら裁判を待つフランツにとって、励ましの言葉をしたためたファニからの手紙は、唯一の心の支え。ところがそのファニも、村では裏切り者の妻として人々からひどい仕打ちを受け、完全に孤立していた…。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

五感を揺さぶる唯一無二の映像体験によって観る者を別次元へと誘う、テレンス・マリック監督。いまや“生ける伝説”と呼ばれる彼が、長編映画監督としての46年のキャリアのなかで初めて実在の人物を描いたのが、最新作『名もなき生涯』です。

2019年、カンヌ国際映画祭公式上映において世界初披露されると鳴り止まぬ歓声が起こり、エキュメニカル審査員賞を受賞。映画史に重要な足跡を残す1本が、ついに日本にもやって来ました。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

主人公のフランツを演じたのは、『イングロリアス・バスターズ』で国際的に注目されたドイツの名優アウグスト・ディール。テレンス・マリック監督たっての希望で、キャスティングが実現。ナチスに加担するより自らの信念に殉じることを選んだ農夫の生涯を、強い眼差しで表現しています。

そして、ひたむきな愛で夫を支えるファニことフランチェスカ役には、オーストリア出身の女優ヴァレリー・パフナー。また2019年2月に亡くなったヨーロッパ映画界最高峰の名優ブルーノ・ガンツが、判事役で出演し、厳粛で深い感銘を作品にもたらしています。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

政府や軍に脅されても、市長や神父に説得されても、何故フランツは最期まで己の信念を貫き通したのか?

オーストリアの雄大な風景と美しい光のなか、人間の尊厳について問いかける本作。観る者の魂を揺さぶってやまない、感動のヒューマン・ドラマです。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

『名もなき生涯』

2020年2月21日(金)からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:テレンス・マリック
出演:アウグスト・ディール、ヴァレリー・パフナー、マリア・シモン、ブルーノ・ガンツ、マティアス・スーナールツ、ミカエル・ニクヴィスト
(C)2019 Twentieth Century Fox
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/namonaki-shogai/

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

八雲ふみね

映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

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