習近平氏の来日延期を正式発表~もっと早くやるべきだった中国・韓国からの入国制限

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月6日放送)に上智大学教授・政治学者の前嶋和弘が出演。習近平国家主席の来日延期について解説した。

20カ国・地域(G20)首脳会議(大阪サミット)に出席するため来日した、中国の習近平国家主席(中央)=2019年6月27日午後、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

中国の習近平氏の来日延期を正式発表~秋以降で再調整の見通し

菅官房長官)双方は現下の最大の課題である、新型ウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要があり、また習主席の国賓訪日を十分な成果が上がるものとするためには、両者でしっかり準備を行う必要があるとの認識で一致をいたしました。このような観点から、習主席の国賓訪日については、双方の都合のいい時期に行うことになりました。具体的な時期については今後、両国間で外交ルートを通じて、改めて緊密に調整することを決めております。

 

政府は4月に予定されていた、中国の習近平国家主席の国賓としての来日を延期すると発表した。菅官房長官は延期の理由について、新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先することや、習主席の来日に伴い十分な成果を上げるためには、しっかりと準備を行う必要があるとの認識で日中両政府が一致したと説明した。来日の時期については、早くても秋以降で再調整が進められるとの見通し。

飯田)菅官房長官の会見の模様もお聴きいただきましたが、どちらが言い出すということもあまりわからず、延期発表ということになりました。

衆院予算委員会でマスク供給不足について答弁を行う菅義偉官房長官=2020年2月26日午前、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

中国・韓国からの入国制限はもっと早くやるべきではなかったか~中国に忖度していたか

前嶋)ずっと対応を考えていて、どのタイミングで行うかを見ていたのだと思います。一方で中国、韓国からの入国管理の強化のこともありますし、この2つを一緒に出して来た。だからいろいろ考えられます。「もっと早く対応できた」と、日本の多くの方が思っているような気がします。

飯田)そうですよね。中国や韓国からの入国制限、ビザの効力停止、検疫の強化、14日間は経過観察をするということ。これはもっと早くできなかったのかなと思いますよね。

前嶋)習近平さんの訪日も含めて、いろいろなことを考えて外交的に動いたのだと思います。中国をあまり刺激したくはない、ただ日本のことは守らないといけない。官邸はいろいろな選択肢で悩んだのだと思います。

飯田)菅官房長官が会見をして、3時間後くらいに中韓からの入国制限が出たと考えると、やはり忖度していたのかと思ってしまいますよね。

前嶋)キーワードは忖度という言葉になってしまうかも知れませんよね。でも、外交にはそういうところもあります。ある程度は忖度しないといけない部分はあるけれど、日本としては毅然と動かなければいけない。そのバランスはなかなか難しく、正解がないところですから。でも、入国管理の強化はもっと先にやるべきだったと、多くの人は思っていますよね。

飯田)中国の国家主席の場合、国賓で来るのは10年に1度になります。そうすると入念な準備が必要であるということです。向こうにとっては重いものでしょうが、日本の外務省にとっても重いものなのですか?

前嶋)トランプさんを国賓に呼んで、次に来る方です。そう考えるとやはり重いのだと思うのですが、それどころではない部分としてコロナウイルス対策もある。秋以降に延期しても、すんなり行くのかなという気もします。

増加ピーク過ぎたとWHO  記者会見するWHOのエイルワード氏=2020年2月24日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

訪日はオリンピックと米大統領選の間というピンポイントの日程しかない

飯田)夏にオリンピック・パラリンピックがあって、11月になるとアメリカは大統領選になる。日本も解散があるかも知れないと考えると、ここがピンポイントになりますね。

前嶋)そもそも、元来の習近平さんが来るタイミングも、ピンポイントでここだったわけです。そこを遅らせるという対応が、なかなか難しかったのだと思います。日本はいろいろなことを考えながら外交を動かしています。日米同盟があるなかで、中国との経済的な関係も重視しないといけない。とても難しい日本外交です。

飯田)コロナウイルスがないときでも、米中がこれだけ角を突き合わせているなかで、習近平さんを国賓に招いていいのかという議論も一部にはありましたけれど。

新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する安倍晋三首相(中央)=2020年1月30日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

米中の間で慎重に動かなければならない日本

前嶋)そうですね。アメリカのなかでも割れていることは割れているのですが、日本と中国が喧嘩するよりも、米中で何かあったときに話し合える関係でなければいけないというのは、多くのアメリカ関係者が思っています。その意味で、ある程度は仲よくすることも当然だと見ていると思います。ただ、例えば一帯一路に日本が積極的に入って行くようなことになれば、話は別だと思いますが。

飯田)一帯一路も条件が合えばということで、ここ数年で日本も軟化したようなところがありますが、それに対してもアメリカでは複雑な目線がありますか?

前嶋)アメリカと中国は経済的につながっているところもあるけれど、政治的には敵対する関係になっていて、同盟国である日本がどう動くかということはよく見ています。

飯田)一帯一路であるとか、5Gのファーウェイであるとか。

前嶋)まさにそうです。この2つは一緒です。一帯一路に入れば、そこには中国の安全保障の考え方があって、そこで中国の技術を使うということは、アメリカを含めた同盟国の安全保障を損なうものだという見方が、特にペンタゴン関係にはあります。そのことを考えると、日本は複雑です。慎重に動かないといけないと思います。

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