東京五輪が1年延期に落ち着いた理由~IOCが承認
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月25放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。IOCが東京オリンピックの1年程度の延期を承認したニュースについて解説した。
東京オリンピック・パラリンピック、IOCが1年程度の延期を承認
安倍総理)概ね1年程度の延期を軸として検討していただけないかと提案しました。バッハ会長から100%同意するという答えをいただきました。遅くとも2021年の夏までに、東京オリンピック・パラリンピックを開催するということで合意をしました。
安倍総理は24日、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話会談し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京オリンピック・パラリンピックを1年程度延期することで一致した。その後に行われたIOC臨時理事会でも正式に承認。26日から始まる予定だった聖火リレーの中止も発表されている。
飯田)東京版の一般6紙すべて、1面トップが1年延期についてです。
日本が収束しても海外選手が来られない
高橋)予定通りです。どういう手順でどうやるのかという話で、最悪でも5月下旬までに決めなければなりません。しかしヨーロッパ、アメリカの状態が酷くなったので、そこまで待つ必要がなくなりました。これで日本のせいではないことが明らかになりました。
飯田)仮に日本が収束したとしても、できないですからね。
高橋)欧米の人が来られないですから。そもそも、入国制限が続いていれば入れないかも知れません。アスリートに2週間どこかで待機してから入ってくださいというのは無理でしょう。
飯田)アスリートですら何千、何万も来るのに収容施設がない。
高橋)話が早く出たのは、アスリートが「はっきりしてくれ」と言ったのでしょうね。
飯田)各国の競技団体や選手から、「行かない」と批判がありましたからね。
1年後となった理由
高橋)年内では施設などが契約的に無理ですので、1年後というのがギリギリです。だいたい4月までは決まっていますが、それ以降は比較的に対応できます。2年後だとすべてやり直さなければいけないので、無難に1年後に落ち着いたのではないでしょうか。
飯田)新型コロナウイルスが、どういう収束の経路を辿るのかというところですね。
高橋)ヨーロッパとアメリカは収束が見えにくいです。日本は4月中旬、下旬になると新規感染者数が10人程度になって、日本での移動禁止がうまく行けばですが、だいぶ落ち着くと思います。ヨーロッパは現在も増えている最中なので、収束がどこか予想が難しい。それくらい爆発的です。1年あればワクチン開発ができると思うので、1年で収束するでしょう。
飯田)ワクチンがカギですか。
高橋)感染症には人間の免疫力でしか対抗できません。免疫力をどう活かすかです。
飯田)結局、そこを引き出すための医療施設などが…。
高橋)そこで時間を稼げば、何とかなるでしょう。
医療にはオーバーキャパシティがなく、対応が難しい
飯田)ウイルスそのものの致死率よりも、一気に患者が増えることによる医療崩壊が怖いですよね。
高橋)医療はもともと、オーバーキャパシティがないのです。病気は平均的にランダムに起こるではないですか。どこかの需要が高くなることはあまりない職種です。医療はいつピークが来るかわかりません。オーバーキャパシティを考えていないので、1~2割増えただけでパンクしてしまいます。
飯田)中国のように一時的に医療施設を建てて供給を増やすか、ピークをずらすだけだと。
高橋)日本はピークをずらしたので、なだらかで長くなりますが仕方ありません。なだらかにしないと、ピークが上がったら対応できなくなってしまいます。
飯田)医療のレベルでさばききれなくなると。
高橋)大震災のときのように、「もう無理です」という状況になってしまいます。
飯田)危機的状況にならないために、各国が対策をしているのですね。
高橋)移動制限をしてピークが来ても、オーバーにならないようにすることです。
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