三島由紀夫vs東大全共闘、伝説の討論会で語られたこととは…

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第801回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)。

今回は、現在公開中の『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』をご紹介します。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

禁断のスクープ映像が50年の時を経てスクリーンに!

新型コロナウイルス感染拡大による厳戒体制が続くなか、ある映画が注目を集めています。

1969年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた、作家・三島由紀夫と東大全共闘との“伝説の討論会”を軸に、三島由紀夫の生き様を映し出した『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』。

興行通信社による3月21日~22日の映画観客動員ランキングでは、人気俳優たちが主演を務める“春休み映画”がひしめくなか、ドキュメンタリー映画としては大健闘の初登場7位を記録。三島由紀夫没後50年となる2020年、禁断のスクープ映像が解禁となりました。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

三島由紀夫が衝撃の自死を遂げた前年にあたる、1969年5月13日。学生運動が激化していた東京大学駒場キャンパスの900番教室には1000名を超える学生が集まり、三島由紀夫の到着を待ち受けていた。

「三島を論破して立ち往生させ、舞台の上で切腹させる」と盛り上がり、会場は異様なテンションが充満。しかし三島は、警察が申し出た警護も断り、その身ひとつで敵地へと乗り込んで来る。

2時間半にも及んだ討論会で三島は、学生たちを前に、三島由紀夫という天才の煌めきをまざまざとみせつける…。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

本作では、伝説となった「三島由紀夫VS東大全共闘」の記録を高精細映像にリストア。

“東大全共闘随一の論客”との呼び声が高く、三島と舌戦を繰り広げた芥正彦をはじめとする元東大全共闘メンバー。そして三島の護衛のため自主的に900番教室に潜んでいた原昭弘を含む、元楯の会会員たちが“生き証人”として、いまだからこそ話せる“真実”を語り尽くします。

さらに三島と交流のあった著名人や、三島文学を愛する文化人ら合計13人からのインタビューを紐解くことで、討論会の全貌が明らかにされて行きます。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

このころの三島由紀夫は、ノーベル文学賞の候補にもあがった世界的な文豪であると同時に、俳優、映画監督、舞台演出家として活躍し、その一挙手一投足がメディアを賑わせる、まさにカルチャー界のスーパースター的存在でした。

そんな三島と東大全共闘たちの言い分は、どこを切り取っても正反対。しかし当の三島由紀夫は、思想的・政治的に対立しているはずの“敵”を相手に終始楽しそうで、笑みさえ浮かべており、迎え撃つ学生たちも熱心に三島の言葉に耳を傾けていることに衝撃を覚えます。

やがて彼らが語る言葉は、どれもユーモアと美しさが満ちていて、その底辺には互いへのリスペクトがあることに、我々は気付かされるのです。

あの伝説の討論会から約半世紀。現代の日本を見たならば、三島由紀夫は何を語るのでしょうか。きっとこの映画を観た誰もが、そんな思いを馳せることでしょう。

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』

2020年3月20日(金)からTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督:豊島圭介
企画プロデュース:平野隆
プロデューサー:竹内明、刀根鉄太
音楽:遠藤浩二
出演:三島由紀夫、芥正彦(東大全共闘)、木村修(東大全共闘)、橋爪大三郎(東大全共闘)、篠原裕(楯の会1期生)、宮澤章友(楯の会1期生)、原昭弘(楯の会1期生)、椎根和(平凡パンチ編集者)、清水寛(新潮社カメラマン)、小川邦雄(TBSテレビ記者) *肩書は当時
平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴
ナビゲーター:東出昌大
(C)SHINCHOSHA (C)2020 映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会
公式サイト https://gaga.ne.jp/mishimatodai/

ニッポン放送「Tokyo cinema cloud X」

八雲ふみね

映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

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