老舗旅館・鳳明館の「文豪缶詰プラン」で、締切間近の文豪の気持ちを体験!

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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」(3月29日放送)では、「東京・本郷の老舗旅館、鳳明館が企画した『文豪缶詰プラン』。これであなたも作家気分?」というトピックスを紹介した。

老舗旅館・鳳明館の「文豪缶詰プラン」で、締切間近の文豪の気持ちを体験!

ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

「東京大学」がある文京区本郷は、かつて日本を代表する文豪たちが暮らした町として有名である。また昔は「一大旅館街」であり、東大生などの学生が多かったため、当時の旅館は「下宿屋」も兼ねていたという。

いまでは数えるほどになってしまった老舗旅館の1つ、「鳳明館」が面白い宿泊プランを企画している。その名も「文豪缶詰プラン」。不定期で行われていたが、第2弾の予約を開始したところ、何と1日足らずで埋まってしまったという。

一体どんな宿泊プランなのか? 「鳳明館」の団体・イベント担当である海津智子さんに、立川晴の輔が話を伺った。

老舗旅館・鳳明館の「文豪缶詰プラン」で、締切間近の文豪の気持ちを体験!

ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

晴の輔:「文豪缶詰プラン」は、具体的にどんなプランなのですか?

海津:基本的には、お客様に「先生として『作品が仕上がるまで宿から出られない』という缶詰」を体験していただくのが、プランの内容になります。

晴の輔:宿から出てはいけないのですか?

海津:作業が終わるまで出られない、強制的に作業せざるを得ない状況を作るのが、「文豪缶詰プラン」です。「こもって読書をしたい」という方もいらっしゃるので、オプションとして別につけているのが『担当編集チーム』。もちろん編集者の偽物なのですけれども、ご希望の方には電話や、お客様と廊下ですれ違ったときに「先生、進捗はいかがですか? 遊んで終わりですか?」と聞くプランもございます。

晴の輔:「編集チーム役」をやってくれる人がいるのですね。

海津:1人の担当者というよりも、2~3人ぐらいのチームでサポートしております。「この期間で作品を10個書く」などの、わかりやすいゴールをお互いに共有しておいて、合間に「いまどれぐらいですか? 半分行っていますか? 残りの時間で終わるのですかね?」などとサポートさせていただきます。

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ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

海津:事前ヒアリングで、「あまり厳しくしないでください」と言ってくださればそうしますし、「かなり厳しく言ってください」となれば、本当に笑いもしないです。

晴の輔:厳しさも選べるわけですか。

海津:選べます。でも、本当に落ち込まれてしまうと困ります(笑)。

晴の輔:「柔らかく追い込まれたいタイプ」と、「厳しく追い込まれたいタイプ」がいますものね。

海津:その辺は、お客様に合わせてという感じですね。

晴の輔:リアルな大人の遊びですね。

海津:本当に「ごっこ遊び」と言っていいと思います。子供のころは「お金がないからここまでしかできない」、「何か言われるからここまでしかできない」ということがたくさんあると思います。でも大人になると、お金はあるけれど恥ずかしさが勝ってやらなくなる。ですから「タガを外せる場所のようなものはないかな?」と、ずっと探りながらやっていました。楽しむならとことん楽しもうという感覚の方は、一定数いるのではないか。巻き込み型の演劇に近いものだと思います。

老舗旅館・鳳明館の「文豪缶詰プラン」で、締切間近の文豪の気持ちを体験!

ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

晴の輔:このプランを利用して小説を書く人も出て来そうですね。その方の作品が、世に出る可能性もありますよね?

海津:そうですね。そして「鳳明館」が執筆の聖地になれば、非常に嬉しいですね。

晴の輔:そもそも「文豪缶詰プラン」を始めたきっかけは何ですか?

海津:物販イベントなどでモノ作り系の作家さんたちが宿泊されると、次第に「終わってない!」「進捗ダメです」など、阿鼻叫喚の状態になります。大変なのですが、どこか楽し気な部分も見て取れました。強制的ではなく、半分遊びで半分本気のようなことなら、「鳳明館」という場所が醸し出す雰囲気もあればいけるのでは? と思ったことがきっかけですね。

晴の輔:なるほど。編集者から、電話以外にも見られたりするようなオプションはあるのですか?

海津:今回、新たに設定したのが「外から見張られる」というものです。こちらは「鳳明館」ではなく、廃業されてしまった「朝陽館」で、実際に手塚治虫先生が編集者に「缶詰」させられた部屋があります。

老舗旅館・鳳明館の「文豪缶詰プラン」で、締切間近の文豪の気持ちを体験!

ニッポン放送「週刊 なるほど!ニッポン」

晴の輔:あの手塚先生も、監視状況下で書かれていたのですね。

海津:さすがに部屋で編集者がずっと後ろにいる、という状況ではなかったそうですが、外から見て「明かりがついているから書いているな」「これは寝ているな」と確認されていたようです。そうした体験をプランにして、例えば担当編集スタッフが、お客様のお部屋を見張ったりします。お客様も「やばい、見張られている」と写真を撮ったり、ご自由に楽しめます。

晴の輔:面白いですね! 他のオプションなどもありますか?

海津:『愛人』と『本妻』が鉢合わせするというものがあります(笑)。文豪の方は、そういったエピソードも数々お持ちで、缶詰している仕事場に愛人を呼び込もうとしたら、本妻が乗り込んで来た! という経験ができるオプションです。

晴の輔:それは「愛人役」と「本妻役」の方が来てくれるのですか?

海津:はい。少しお高いですけれど、貴重な体験ができます。

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晴の輔:どこで鉢合わせになるのですか?

海津:お部屋の前で、思いっきり鉢合わせになります(笑)。

晴の輔:クローゼットのなかに隠れたりしないといけないのかな(笑)。

海津:部屋のなかまで入るかは、ご依頼者との打ち合わせになります。部屋の前で騒いでいると、周りのお客さんが「何だ何だ」と出て来るのも込みかもしれません。

晴の輔:小説のようなワンシーンが体験できる。

海津:物語に入って行くような気分や、ハプニングも味わっていただけます。みなさんの意見を拝見すると、「こういうものがあったらいいな」など、さまざまなご要望があります。今後はまた別のオプションもできたらいいですね。

晴の輔:お客様のニーズを収集するのですね。

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