コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月31日放送)にジャーナリストの有本香が出演。トランプ大統領が、新型コロナウイルスによる外出自粛要請の延長を求めたニュースについて解説した。

コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

【新型コロナ、志村けんさん死去】志村けんさん死去で献花台に献花された花束と飲み物=2020年3月30日 東京都東村山市 写真提供:産経新聞社

トランプ大統領が自粛要請延長の方針を明かす

アメリカのトランプ大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見を行い、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として国民に求めて来た外出などの行動自粛要請について、4月30日まで延長する方針を明らかにした。

飯田)以前は復活祭の4月12日ごろまでに経済を正常化させたいと言っていたのですが、これを撤回したと。

有本)そういう状況ではないということですよね。

飯田)6月までの収束を目指すということのようです。アメリカも深刻な状況です。

有本)アメリカはまだまだ地域によってばらつきがあるようですが、ようやくみんなの間でコンセンサスが取れて来たと感じます。アメリカの友人と話をしていると、ニューヨークは検査、検査でわけがわからなくなってしまいました。その辺りもようやく理解が進んで来たようです。一方で、イタリアは近く安定化するのではないかとWHOが言っています。ただ、いずれにしてもある程度のピークを迎えれば下がって行くのでしょうが、このウイルスの怖いところは、一旦回復して陽性から陰性になった人がまた陽性になったり、まったく症状の出ていない人と出ている人の感染力にあまり差がなかったり、つかみどころがないです。そのため、もう1回上がって下がってということを繰り返して、1年くらい続くと言っている識者も多いです。なかなか簡単ではないでしょう。

飯田)重症化する方は全体の2割くらいだと言われていて、それも深刻ですが、医療崩壊という不安もあります。

コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

「中国ウイルス」を正当化 2020年3月17日、米ワシントンのホワイトハウスで記者会見するトランプ大統領(中央)(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

日本の「飲み会文化」が感染広げる

有本)今回のことで学んだのは、日本の場合は医療に恵まれていて、制限なく受けられます。それがあって当たり前と思って来た部分がありますが、医療は資源なのだということです。これを守りながら、もっとも有効に使って行かなければいけないということでしょう。

飯田)限りがあるということですね。

有本)気になったのは、30日の東京都の会見に専門家の先生方も陪席されていて、北海道大学の西浦先生は国の専門家チームにも入っておられます。

飯田)厚労省のクラスター対策班ですね。

有本)1月の段階でもこの先生の分析で、当時の中国の武漢にどれくらいの感染者がいるのかという論考でしたが、それをこの番組で紹介させていただきました。西浦先生の話では、夜の街から感染した人が多いという話があったなかで、最近の2週間の3割がそれに当たるということです。経済や事業者への大きな打撃であることを、あえて東京都が言わざるを得なかったということなのですが、一種のライフスタイルの見直しも迫られてしまうと思うのです。日本人は仕事が終わってから、はしごでお酒を飲む、しかも個室などの狭い場所で肩を寄せ合って飲むことが好きではないですか。こういうことは外国だと、ほぼないのではないでしょうか。

飯田)肩を寄せ合うような狭いところで、会食をすることはない。

有本)夜の街では、比較的高級なお店も個室で、しかも接待する方が入って来るという距離の近さ。そこでお話やカラオケをして、感染が拡がってしまうということなのでしょう。日本独特のいろいろなものが悪いように言われるのは残念ですが、そうは言っても収束してからそのような遊びがなくなるかと言えば、それはないでしょうから、新たなやり方が編み出されて行くのかなと思います。30日に小池知事が会見をする際、東京が事実上のロックダウンを宣言するのではないかという話が出て、緊張が走りました。また、いたずらメールで4月2日にロックダウンするのだということが言われたりもしましたが、これはまったく違うと政府が否定しています。

飯田)官房長官も総理も否定しました。

コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

志村けんさん 2014年12月2日  撮影場所:東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

新型コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

有本)そこには惑わされないでいただきたいのですが、本当にギリギリの局面に来ているのだと思います。どこかで感染爆発が起きてしまうと、いまの体制では指定感染症だから入院させなければいけないので、そのなかで医療崩壊をどのように防ぐのか。それと、やはり重症者です。志村さんが亡くなったことでみんな理解したと思いますが、人工呼吸器と言われるものを飯田さんは見たことがありますか?

飯田)ないですね。

有本)どんなものかということは、あまり理解されていないですよね。人工呼吸器をつけるということ自体、体にとってものすごく大変なことなのです。

飯田)イメージだと、口に嵌めて酸素を送るようなものですが、それではないのですよね。

有本)まったく違います。管で入れるわけです。そもそもハンドリングすること自体が非常に大変だったり、これを体に付けることも相当の負担になることで、人工呼吸器を付けた時点でかなりの重症なのですよ。ですから、この医療をどういう人に提供するのかという選択も行われるかもしれません。それくらい緊迫しているわけです。私たちが巷でできることは限られているけれど、それがいちばん重要です。手洗いもですが、マスクの着用は感染者が拡げないようにということで有効だとは言いつつも、WHOは健康な人のマスク着用には特にメリットがないと言っています。マスクが足りないからそう言っているのかもしれませんが、そういう問題ではないのですよね。

コロナ重症化の恐ろしさ~志村けんさんも使用した“人工呼吸器をつける”ということ

【都心で降雪】雪が降った大手町近辺は、昼間にも関わらず静まり返っていた=2020年3月29日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

これまでと違って来る価値観

飯田)無症状感染者の可能性を考えると、マスクをしてうつさないことは重要になって来ますよね。

有本)いまや、いったい誰が健康なのだという話になっているわけで、私たちも既に感染しているかもしれません。そういう意味で、このスタジオはどうなのだろうとも思います。

飯田)そう思って生活すべきということですよね。

有本)いままで普通にできていたことが悪いことなのか、できないのかという状態になってしまっているという話です。

飯田)3月の頭とは価値観がまったく違います。2月の頭とはまた違う。ガラリと変わって来ましたね。

有本)生活を変えざるを得ません。しかし日常を取り戻す流れのなかで、いろいろと注意しなければいけない細かい部分が変わって行くのだと思います。ただ、欧米に関しては日本流をもう少し押しつけてもいいのではないでしょうか。握手やハグなどはちょっと、どうなのでしょう。

飯田)リスクが高いと。あるいは、靴のままで家に入るのはどうなのか。

有本)手を洗うということも含め、日本人にとって日常的だったものが見直されているという部分では、私たちは自信を持っていいと思います。

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FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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