ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月8日放送)では、外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦を交えて、政府の支援策の申請方法について飯田浩司アナウンサーが解説した。
コロナで潰すな、店と生活~雇用調整助成金
新型コロナウイルスの影響で、厳しい状況に置かれている人や企業に対して行われるさまざまな支援策について、具体的な中身と申請方法を掘り下げる。
飯田)従業員を休業させた企業・事業者の休業補償を、国が代わりに行う雇用調整助成金について取り上げます。自民党の岸田政調会長は7日、BSフジの番組のなかで、新型コロナウイルス対策として行っている雇用調整助成金の上限額を、現在の倍近くとなる1万5000円程度に引き上げることも必要という認識を示しました。現行の上限は1日当たり8330円ですが、イギリスの制度を引き合いに「1万4000~1万5000円くらいまで引き上げることも考えられる」と述べています。菅官房長官も7日の会見のなかで、「与党内での調整を踏まえて速やかに対策を講じて行く方針」と、引き上げについて明言しています。雇用調整助成金ですが、まず申請するのは従業員個人ではなく、企業が申請するものです。来週以降、20人以下の中小・零細企業については申請が簡略化されるということだったのですが、当初は申請が複雑で見送る企業もあり、企業が休業補償をしてくれないという労働者の相談も多いようです。実際にメールもいただいていまして、千葉県大網白里市のラジオネーム“BBQおじさん”からのメッセージです。「千葉県でタクシードライバーをしているのですが、私たちも収入が大幅に激減しています。会社は雇用調整助成金を活用せず、何の対応もない状況です。大変困っています」といただきました。
みなし失業としての休業補償も検討
飯田)一方で厚生労働省は、コロナの影響で休業を余儀なくされている方を対象に、失業した場合と同じ手当を支給する特例措置の検討に入ったようです。そのため、いまのうちに「この日は休んだ、この日は出た」という記録として、メモなりタイムカードを画像で残しておいた方がいいと思います。実現すれば、従業員の方が自ら申請できるようになります。申請方法などは当然これから検討になると思いますが、従来の失業手当ならばハローワークへ行って手続きをすることになっていますので、それに準じた形になると思います。これも上限が1日当たり8330円なので、こちらも引き上げ検討ということが出ています。雇用調整助成金に話を戻すと、この事務手続きは確かに面倒くさくて、企業が1年間に従業員に払った全部の給与総額、これは社会保険料のデータのなかに載っているようですが、まずはそれを出さなければいけません。その上で従業員の数、当然1年の間に出たり入ったりがありますから、従業員数の平均を取って割ると。さらにそれを日で割って、1日当たりいくらかという計算を出す。その金額に助成率をかけます。休業補償はだいたい6割以上を支給しなさい、ということが労働基準法で決まっているので、その金額を算出すると補償額が出ます。その補償額が8330円より上だった場合は、上限の8330円が出るようになります。話していてもややこしいと思います。
明細などの書類はできるだけ残しておくべき
宮家)何てわかりやすいご説明でしょうね。でも、実はさっぱりわかりません。
飯田)本当ですよね。これを1つ1つ書類に書き込むなりして、計算しなければいけない。
宮家)それが役所としていろいろ考えた結果なのですよね。ロジックとしては正しいのでしょうけれど、やるのは大変です。今聞いていてわからなくなったのですが、助成金とみなし失業は同じなのですか?
飯田)どちらかをやると、どちらかが成り立たなくなるというか。その辺も含めての制度設計を、これからしなければいけないということでしょう。まず雇用調整助成金は従業員個人では申請できないので、会社にやってもらうしかありません。我々従業員の側としては、いつ休んだか、いつ働いたか、どれくらい働いたかというデータや給与明細も取っておくといいのかも知れません。
宮家)できるだけ多くのものを残しておいた方がいいでしょう。
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