ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月14日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。地方創生臨時交付金について解説した。
地方創生臨時交付金
自民党の河村元官房長官らは13日に総理官邸を訪れ、安倍総理大臣と会談し、新型コロナウイルス対策における地方自治体支援のための地方創生臨時交付金の更なる増額を要望した。
飯田)第1次補正で1兆円の予算が付けられていますが、それに上乗せして新たに3兆円あまりの予算を付けるように要望したということです。1兆円で足りるのか、という議論は当時からありました。
「自由度がある金」は「自由に使える金」ではない
鈴木)全然足りませんね。足りない上に、何にでも使えるのかというとそうではない。西村大臣は「比較的自由度は高い」と言っているのですが、自由度という言葉を使っている限りはダメなのですね。自由度ではなく、自由なお金にしなければいけません。政府の対応が遅いから、各自治体が台所事情の苦しいなか、いろいろな形で、その間のお金を捻出しているのです。ある意味では、つないでいるという言い方もできます。そこを補填する、「自由に使っていい」という原資を国が出さなくてどこが出すのかという話なのです。私は2月から主張していますが、地方のことをいちばんわかっているのは基礎自治体、市町村です。その人たちが、自分の地域にどんな産業があるのかということをいちばんわかっているのです。そこに自由に使えるお金を渡して、「しっかり決めて使ってくれ」と言うのが最大の経済対策だと思います。人口比で12兆円と言っているのですが、それくらいの真水を出すべきです。
飯田)地方はいろいろな対策を打とうとしても、ない袖は振れないということで、休業の感染防止協力に対してのお金が都道府県によってバラつきがあるのは、「台所事情の部分が大きい」と大阪府知事の吉村さんも言っていますものね。
国や財務省はお金を管理したがる~基金にして自由に使えるようにすべき
鈴木)これは従来から言われていましたが、東京都は自前で準備できるけれど、それ以外は税収が足りなくて苦しんでいるわけです。そもそも構造的な課題なのだから、こういうことが起きたときに、そこがいちばん問題だというのは最初からわかっているはずです。国や財務省は、お金を出すからには使い道を管理したがるのです。
飯田)「何に使われるかわからないから」というようなことを言うのですよね。
鈴木)こういうときは、それはなしでしょう。実際に、新潟中越地震のとき、同じように地方へ交付金が支給される場合があったのですが、現場は使い道を自由にしたいわけです。しかし条件をつけられて逐一書類を出せと言われた。そこで、このときは財団をつくって基金にしました。財団なので、政府に許可を取るのではなく、財団に許可を取るということになります。半分民間のお金のような形にして、財務省はそこへ原資としてお金を入れる。そうして使い道を自由にしたケースがありました。東日本大震災のときは同じように「基金にしろ」と、これは自民党が言っていたのですよ。グループ基金のようにしたけれど、いまは与党なのだから自民党がもっと言って欲しいと思います。
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