ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月18日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。「気を緩めることなく」と自粛を呼びかけた西村経済再生担当大臣の会見について解説した。
西村担当大臣「気を緩めることなく」と呼びかけ
西村経済再生担当大臣は17日の会見で、前日に引き続き「気を緩めることなく」と外出の自粛を呼びかけた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が39県で解除されたことを受け、宣言が維持されている8都道府県でも人出が増加傾向にあることに関して、「8都道府県は引き続き自粛をお願いしたいし、39県も慎重にやって欲しいとお願いをしている」と語った。
飯田)気の緩み連発の会見だったということで、「気の緩みといまさら国民のせいにするなよ」という批判も相次いでいるようです。
具体性に欠ける「気の緩み」という表現~大阪府のように明確な基準を設けて出口戦略を示すべき
須田)「気の緩み」という表現は具体性に欠けますよね。ではどうやれば気が引き締まるのか、緩むのか…具体的な数値の基準が不明確です。責任を負うことから逃げているような気がしてならない。結果として新規の感染者数が増えて来たら、「気が緩んでいるからだ」と言われるのならば、国民はたまりません。4月7日に緊急事態宣言が発令されて、1ヵ月間の自粛期間になったわけですけれども、明確な基準を示されないなかで自粛をした日本の国民は、見事なものだったと思います。その一方で、リモートワークを中心とした仕事の形態ももう限界に近付いている。お店を経営されている方も、自粛を続けていては事業が継続できないという状況まで追い詰められて来た、と言うことなどを考えると、やむにやまれずというところも一部には見受けられるのです。状況が変わり、1ヵ月やって来て相当な疲弊が出ているわけですから、そういう国民生活の変化を見据えた上で、大阪府がやっているように明確な基準を設けて出口戦略を示さなければ、気の緩みではなく、やむにやまれず活動を再開する人たちが出て来ても、仕方ないのではないでしょうか。
飯田)ここまでは、当座コロナを抑え込むためには何が必要かという時期でしたけれども、収束に向かって来たということは、いままで何が足りなかったのかということを検証して、そこに手当をして行く。第2波、第3波が心配だというのならば、そのぐらいのことを言えばいいのに、国民に対してお願いばかりというのも疲れて来ますよね。
新型コロナとの共生~具体的なイメージを出して欲しい
須田)状況が変化したから仕方がないのだというところも、わからなくはないけれど、当初我々は5月7日まで頑張れば、それ以降は普通に近い生活が戻るというようなイメージでいたではないですか。政府側もそういうイメージを出していましたよね。ところが、ここへ来て「第2波が来るから」と言われても、話が違うのではないかなと思ってしまいます。それは仕方がないですよ。諸外国の例を見てみても、第2波を避けることはできないというのはわかるのだけれども、それを踏まえた上で、国民感情に配慮することも必要ではないかと思います。
飯田)当初は、コロナウイルスの動きや感染の仕方がわからないから、全部止めるということになったと思うのです。でも状況がわかって来たのであれば、「これはやっていいが、これは引き続きいけない」というような、具体的なお願いをする方が効くと思うのですがね。
須田)政府の方も専門家会議を中心に新常態という、共生のようなところを打ち出しています。そういう部分に関する具体的なイメージが、きちんと描かれていないのです。この新型コロナウイルスの対応は、オール・オア・ナッシングではありませんからね。その辺を具体的に打ち出していただきたいと思います。
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