『MOTHER マザー』長澤まさみ、母親役で放つ圧倒的存在感!
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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第858回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、7月3日から公開の『MOTHER マザー』をご紹介します。
『MOTHER マザー』のあらすじ
男たちと行きずりの関係を持ち、その場しのぎの人生を歩んで来たシングルマザーの秋子。働きもせず、欲望のままに生きている彼女は、息子の周平に奇妙な執着を持ち、忠実に自分の命令に従うことを強いて来た。
母からの歪んだ愛情に翻弄されながらも、他に頼る手立てがない周平は、秋子の要求に応えようともがくのだった。
やがて身内から絶縁され、社会からも孤立してしまった母子の間に、ある種の“絆”のようなものが生まれる。そしてその“絆”は、17歳に成長した周平を、ある殺害事件へと向かわせることとなる…。
実在の事件から着想を得た衝撃作
実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て描いたヒューマンドラマ『MOTHER マザー』。
17歳の少年が、罪を犯してまで守ろうとしたものは何だったのか…。歪んだ母子関係と、そのなかで育った少年による“悲惨な事件”の真相に迫った衝撃作が、ついにスクリーンに放たれました。
『MOTHER マザー』のみどころ
主人公の秋子役は、女優生活20周年を迎える長澤まさみ。近年は明るいキャラクターで観客を魅了している彼女ですが、本作では母親という存在の闇と奥深さを体当たりで表現しています。
共演には、秋子と内縁の夫になるホスト・遼役の阿部サダヲをはじめ、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花らが物語を彩る個性豊かな登場人物を熱演。
そして17歳の周平を演じるのが、映画初出演にして初めてのオーディションで大抜擢された新人・奥平大兼。これが初めての演技とは思えないほどの存在感を放ち、衝撃のスクリーンデビューを果たしました。
「親子関係というものは表面化しづらい部分がある一方で、非常に強い理想的イメージが付されている」と語るのは、監督・脚本を務めた大森立嗣監督。
しかし、一般的には許容しがたい親子の姿があるのも事実であり、どんな状況下でも生きて行かなければならない定めがある。
そんな現実と、映画を通じて向き合ってもらいたい…。製作者たちの切なる願いが込められた1作です。
<作品情報>
『MOTHER マザー』
2020年7月3日(金)から全国ロードショー
監督:大森立嗣
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
脚本:大森立嗣、港岳彦
音楽:岩代太郎
撮影:辻智彦
出演:長澤まさみ、奥平大兼、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、土村芳、荒巻全紀、大西信満、郡司翔、浅田芭路、木野花、阿部サダヲ
(C)2020「MOTHER」製作委員会
公式サイト https://mother2020.jp/
<ジャンル>
人間ドラマ
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/