安倍総理が消費減税のシミュレーションを指示か~コロナ対策で
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月9日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。衆議院内閣委員会で西村経済再生担当大臣が緊急事態宣言の再発令に慎重な見解を示したというニュースについて解説した。
西村大臣が緊急事態宣言の再発令を否定
西村経済再生担当大臣は8日の衆議院内閣委員会で、新型コロナウイルスの新規感染者が7日までに6日連続で3桁となった東京都の現状に関し、「危機感を持って対応しないといけない」としながらも、緊急事態宣言の再発令には慎重な見解を示した。
飯田)その理由として、特に東京は医療提供や検査の体制が切迫していないということだそうです。
コロナと共存して経済を進めるという方針ありき
鈴木)政府も東京都も、基本的には経済活動を再開して行かなければ、大変なことになるということです。そのなかで、コロナとどう共存して行くか、どう付き合いながら経済を進めて行くのかという、その方針ありきです。数が増えても、しっかりと分析をして、それをクリアしながら経済を止めない。「緊急事態宣言を再び出すことはもうない」という前提で進んでいると考えた方がいいと思います。
飯田)もう一律で出すようなことはしない。
鈴木)よほどのことがあれば話は別ですが。では国民は安心できるのかというと、不安です。そうした新しいステージのなかで、どのように感染に向かうのか、これが重要になります。その1つが法整備だと思います。「気をつけましょう、自粛しましょう」といくら広く呼び掛けたからといって、これには限界があります。次のステージで具体的に、どのような法整備を行うのかということです。
地域、業種を絞って法整備をする~休業する場合は補償を付ける
鈴木)毎日のように地域として、新宿や池袋が報道されています。あとは業種。夜の街というざっくりとした表現ですが、具体的にはホストクラブやキャバクラで集団感染が頻繁に起きているということであれば、業種を絞って法整備をする。特定の業種でクラスターが起きた場合には、PCR検査を全員が行うことを義務付ける。また、お客さんはどこまで入れるかはわかりませんが、少なくとも従業員の名簿提出を義務付ける。こうしたことができていない場合には、営業に関して待ったをかける。休業ということになれば、補償は絶対に付けてあげなければいけません。こういうものを法律、もしくは政令、条例、特措法などで対応する。この辺りの絞ったものにどう対処して行くか、ということが必要だと思います。
飯田)いまは「新型インフルエンザ等対策特別措置法」というもので、緊急事態宣言が出せるのですが、それを出すのは国の役目です。そこから先は、都道府県知事に権限があるのだけれども、罰則などの強制力はありません。そもそも論として、緊急事態宣言を出さないにもかかわらず、地域ごとに対策を取るとしたら、新しい枠組みをつくらなければならないということですよね。
東京都の基準の見直しに「法整備も含めて今後、国との協議を進めて行く」という一文
鈴木)あとは首長によって変わって来ます。新しいステージで限られた業種や地域に対して、ある程度の強制力を持つような、そんな法整備があっていいと思います。先ほど言ったように、強制力ということは当然、補償がセットです。先週、東京都が新しい基準の見直しについて会見しました。
飯田)東京アラートに変わるというような。
鈴木)そうです。具体性がないと批判されましたが、確かに私も具体性がないと思いました。ただ、そのなかに、いま説明した「法整備も含めて今後、国との協議を進めて行く」という一文が入っていたのです。これは原案には入っていませんでした。直前になって、東京都幹部や知事周辺がそこに乗り出さなければダメだということで、一文を入れたのです。この辺りから、国と東京の法整備に関しての交渉、折衝はどうも始まっているようです。それが西村大臣の言う「罰則も含めた」という表現につながるのです。
1つのケースができれば各地域や業種にも共通した法整備に
鈴木)1つのケースができて、そうした動きになれば、東京の新宿、池袋の話だけではなく、全国のクラスターが起きている地域や業種にも共通した法整備ができます。ただ、これで営業をさせないということになると、憲法の問題にもなります。いろいろな強制力という問題が出て来ますので、ここをどのような法整備にすればいいのか。また、補償を必ずセットにするということです。
飯田)そうですね。そうなると権限だけでなく、財源も渡さなければならない。
鈴木)その通りです。その部分が、次のステージでの課題だと思います。
飯田)一方で、経済は回しながら新しい対策をして行く。倒産件数がかなり増えています。11年ぶりの水準になっていて、経済が傷んでいますね。その辺りを見ると、本当はもっと対策しなければならないのではないかと思いました。
消費税を下げる場合のシミュレーションをする指示を経産省に
鈴木)せっかくですので、1つ独自ネタを言います。7日の夜に情報が入って来ました。ドイツではすでに行われていますが、付加価値税、消費税を下げるということを、イギリスでも今後やって行きます。これは期限付きです。この検討を、どうも官邸が始めているようです。それをやるには、実際にシミュレーションをしなければなりません。何%下げたらどうなるのかというシミュレーションをするように、経産省に指示を出したのではないかという情報です。
飯田)経産省ですか?
鈴木)財務省ではなく、経産省です。財務省は絶対に消費税を下げたくないでしょうからね。安倍政権は基本的に経産省内閣と言われていますので、「何%に下げたらどのような効果があり、どのような弊害があるのか」というシミュレーションの指示を出したようです。コロナ対策の最大の目玉は、お金を出すことです。私はもっとお金を出さなければならないと思いますが、それにプラスして消費税に、もしかしたら手を付ける可能性もある。そしてもう1つあるのは、そこまで行うということは、それを看板に解散総選挙を行うのではないかという話につながります。
飯田)そうなりますね。
鈴木)そのような話が、7日夜の取材で入って来ました。そんなことも囁かれています。
飯田)なるほど。いままで吹いていた解散風が、具体性を帯びて来ますね。
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