米、中国5社製品使う企業の取引排除~日本企業への影響は

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカ政府が8月から中国5社製品を使う企業との取引を排除することが発表され、日本企業への影響について解説した。

ファーウェイのショップ=2018年12月9日、中国・深圳(共同) 写真提供:共同通信社

アメリカ政府、8月から中国5社製品を使う企業の取引排除

アメリカ政府は8月、ファーウェイなど中国企業5社の製品を使う企業が政府と取引することを禁じる法律を施行する。対象の日本企業は800社を越え、中国製品への依存を強めていた日本企業の調達戦略も修正を迫られることになる。

飯田)17日の日本経済新聞が一面で報じておりましたけれども、センセーショナルな報じ方をしていました。

須田)私は奥歯にものが挟まったような報じ方だなと思いました。これについてはスクープというよりも、17日のアメリカの官報で国防権限法の細則が掲載され、そのなかで8月13日から施行されることが判明したのです。スケジュール的なことも含めて、日本企業も大きな影響を受けるというところで、日経らしい記事に仕上げているのです。

中国広東省深圳市にある華為技術(ファーウェイ)本社キャンパス(ゲッティ=共同)=2018年12月7日 写真提供:共同通信社

下請け、孫請けが中国製品を使っているかどうか確認する必要がある

須田)既にファーウェイなど5社に関しては、2019年に政府調達から除外されているのです。それが今年(2020年)に何が変わるのかと言うと、8月からはワンクッション置いて、ファーウェイなど5社の製品を使っている企業との取引を禁止するということです。アメリカ政府に納入している企業は、日本では800社を上回るくらいあるのです。そういうところが影響を受けるということですが、ポイントなのは、日本のメーカーにしても企業にしても、自社で完結して製品・サービスを使っているところは少ないです。具体的に言えば、下請けや孫請け、部品メーカー協力企業などからそういう製品を買って組み立てて、製品・サービスに仕上げて輸出するという形を取っているのですけれども、そういう下請けや孫請けにも影響が及んで来るのです。ICチップ1つとってみても、中国と関係していないかどうかを確認しなければなりません。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

監視カメラを経由して機密情報が中国に抜き取られる~下請けも含めてパッケージで防衛する必要がある

須田)そして5社のなかにある「ハイクビジョン」、「ダーファ・テクノロジー」というのは、監視カメラの会社です。ハイクビジョンは世界シェアトップで、ダーファ・テクノロジーは2位の監視カメラメーカーです。なぜここが入っているのか……監視カメラだから、カメラ的な映像情報で企業秘密を盗み出しているのではないかと思われますが、そうではありません。この監視カメラは当然、インターネットに接続されています。中国製の監視カメラはバックドアという、アクセスする権限を所有権限者、そしてシステム管理者以外に中国共産党が持っているのです。ですから、必要になればバックドアから侵入して、監視カメラを経由し、その企業のインターネットシステムのなかに入り込むことができるのです。サーバーやホストコンピューターに侵入することができる。それで機密情報が抜き取られてしまうのです。アメリカに輸出されている中国製品に、こういうものが使われていると情報がダダ漏れになってしまう。実はいままでも、頻繁に行われていることなのです。アメリカ国務省などの関係者に話を聞くと、アメリカ政府はその証拠を持っていると言います。ですから直接的な製品を購入して輸出している企業だけを禁じても意味がなくて、下請け孫請けも含め、パッケージで防衛を果たさなければ、簡単にハッキングされてしまう。だからそこを塞ぐのです。大企業はこの辺りの認識を持っているのだろうと思いますが、下請け孫請けには、まだ気が付いていない企業もいるようです。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

企業は自己認証しなくてはならない~破れば罰則やペナルティが課せられる

飯田)大手企業からすると、孫請けだとか、さらにひ孫、その先のような会社が、どういうチップを調達しているかということまでは把握していないところが少なくないですよね。地震が起きてサプライチェーンが寸断されたときに、どこから部品を買っているのかわからないということがありました。同じことが起こる可能性があるわけですね。

須田)これを輸出するに当たり、自己認証と言って、「自分のところは使っていません」と証明しなければいけないのです。もし使っていないと言っておいて、使っていたら、罰則やペナルティが課せられる。そういう法律になっています。

飯田)アメリカでの収益に頼っている企業も多くありますが、そのペナルティによって、アメリカで取引ができないということになってしまう。

中国の習近平国家主席(左)とトランプ米大統領=2020年5月14日 写真提供:時事通信

この法律には抜け道がない

須田)アメリカ政府だけではなく、アメリカのほとんどの企業に対しても販売することができないという状況になります。そして、いろいろと検証してみましたが、これには法の抜け穴がないのです。「ここは禁ずるけれども、この抜け穴を利用すれば大丈夫ですよ」というところが、普通はあるはずなのです。

飯田)激変の緩和をしなければならない、ということは考えますよね。

須田)米中の貿易戦争や貿易摩擦は、政治的要因が強いではないですか。政治的要因が100%であれば、国民や有権者に対するメッセージですから、抜け穴を用意しておくものだけれど、これには抜け穴がないのです。ファーウェイはかなり厳しくなるのではないかと思います。

飯田)それに日本の企業も否応なく巻き込まれるのですね。「どちらにつくのだ、君たちは?」ということを言われるわけですよね。

須田)ソフトバンクなどは中国に対する依存度は高かったのですが、2019年に5Gの基地局に関して、ファーウェイからの調達はやめているのです。ヨーロッパ系の企業に切り替えています。調達価格は上がりますが、これを見越して動いている企業もあるのだということです。

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