【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第878回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、Disney+(ディズニープラス)にて独占配信中の『マンダロリアン』をご紹介します。
「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマシリーズ!
「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマとして配信されるやいなや、大絶賛の嵐が渦巻き、すでにシーズン2の制作が行われているディズニープラスオリジナル作品『マンダロリアン』。
先日発表された「第72回エミー賞」では、ドラマ部門の作品賞にあたるOutstanding Drama Seriesをはじめ、全15部門にノミネートを果たしました。
エミー賞とは、米国テレビ芸術科学アカデミー主催で、毎年アメリカのテレビ業界で功績を残した番組に与えられる賞のこと。映画におけるアカデミー賞、演劇におけるトニー賞、音楽におけるグラミー賞に相当する、もっとも権威ある文化賞のひとつです。
『マンダロリアン』の受賞の行方に注目が集まっています。
『マンダロリアン』のあらすじ
帝国の崩壊から約5年後。ファースト・オーダーが台頭する前の時代。銀河には中央政府が存在せず、始まったばかりの新共和国の法も、銀河の辺境にある開拓星には届かなかった。
人々は自分の身は自分で守るしかなく、無法者たちは誰からも干渉されずに独自のルールで生きていた。そんな時代に、バウンティハンター(賞金稼ぎ)として生きる、凄腕のガンファイターがいた。
彼の名は、マンダロリアン。ある日、彼はバウンティハンター・ギルドのリーダーであるグリーフ・カルガから、ある高額な報酬の仕事を依頼され……。
『マンダロリアン』のみどころ
本作の主人公マンダロリアンは、謎に包まれた一匹狼のガンファイター。T字型バイザー付きのマスクで顔は見えず、ブラスターでも貫通不可能なベスカー合金のアーマーを身に纏う姿からは、武闘派な印象を受けます。
ペドロ・パスカルはマンダロリアンの役作りをするにあたって、『荒野の用心棒』シリーズでクリント・イーストウッドが演じた“名無しの男”からインスピレーションを得たとか。その結果、西部劇と日本の“侍”が融合した唯一無二のキャラクターが誕生しました。
元々『スター・ウォーズ』シリーズは、黒澤明監督の作品から多くの影響を受けていると、ジョージ・ルーカス監督も公言していましたが、そういった意味で、本作は創造主ジョージ・ルーカスのヴィジョンとスピリッツを徹底的に具現化したシリーズとも言えるでしょう。
「第72回エミー賞」授賞式は、現地時間の9月20日を予定。新型コロナ禍の影響により、授賞式では、受賞者はそれぞれ自宅から受賞スピーチを行うというオンライン開催が決定しています。
ドレスコードは各候補者に一任されており、場合によっては、「ブランドもののパジャマ姿でベッドの上からスピーチ」なんてこともありなのだとか。
新型コロナによる障壁を逆手に取り、通常開催では行わなかったさまざまな趣向を凝らすことによって「今年の授賞式はテレビ界最大のイベントにしたい」と、司会のジミー・キンメルを含むプロデューサー陣は意気込んでいるそう。
こういったユニークな演出でも注目される「第72回エミー賞」で、『マンダロリアン』がどのような旋風を巻き起こすのか。いまからとても楽しみですね。
<作品情報>
『マンダロリアン』
Disney+(ディズニープラス)にて配信中
クリエイター:ジョン・ファヴロー
製作総指揮:ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、キャスリーン・ケネディ、コリン・ウィルソン
監督:デイブ・フィローニ、リック・ファミュイワ、デボラ・チョウ、ブライス・ダラス・ハワード、タイカ・ワイティティ
脚本:ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、リック・ファミュイワ、クリス・ヨスト
主要キャスト:ペドロ・パスカル 、ジーナ・カラーノ、カール・ウェザース、ヴェルナー・ヘルツォーク、ニック・ノルティ、タイカ・ワイティティ
日本語吹替版キャスト:阪口周平、鷄冠井美智子、楠見尚己、伊藤和晃、堀越富三郎、上田燿司
(C)2020 Lucasfilm Ltd.
原題:The Mandalorian
■ディズニープラス公式サイト https://disneyplus.jp/
■『マンダロリアン』公式ページ https://www.disney.co.jp/deluxe/program/mandalorian.html
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/