菅自民党新総裁~森山国対委員長の続投人事に疑問
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月15日放送)にジャーナリストの有本香が出演。菅新総裁に決定した今回の自民党総裁選を振り返り解説した。
菅自民党新総裁~党役員人事着手へ
自民党の菅新総裁は9月15日に行われる自民党の役員人事で、二階幹事長を続投させる意向を固めたと朝刊各紙が報じた。
飯田)党四役も顔ぶれが出ています。政調会長が細田派の下村博文さん、総務会長が麻生派の佐藤勉さん、そして選挙対策委員長は竹下派の山口泰明さん。森山国対委員長も続投となります。
役員人事~コロナの危機状況のなかで国会空転させた森山国対委員長でいいのか
有本)党内での一種の論考考証的な力関係はさておき、森山国対委員長は内部ではいい仕事をしたと評価されています。この辺りは、国民の目線との違和感があると思います。あの国会対策でいいのかということです。
飯田)「けっこう譲っているではないか」とか。
有本)ほとんど国会は空転していましたよね。それが野党のやり方だったとも言えるのですが、いちばん直近のことを言うと、本当に日本は危機のなかにあったわけです。
飯田)コロナもそうだし。
有本)そのなかで国会が開かれている。そこで国民のため、特に直近の危機のために話し合うべきこと、決めるべきことを優先させる国会になっていたとは、とても言い難いと思います。
飯田)2~3月の審議状況を見ると、コロナ対策をしなければならないということで、そういう質問をしていた野党議員もいましたが、中心は森友・加計問題と、桜を見る会でした。
有本)ひたすら野党に譲って、日本的に言えば波風を立てない。しかし国民から見れば、国会そのものは波風だらけという感じでした。疑問はありますが、そういう党役員人事になっています。
熱気なき圧勝、見えぬ国家像~国家像を明確に打ち出した候補はいなかった
有本)一方、総裁選の行方を見ていて、新聞各紙でそれぞれ報じ方は違うのですが、朝日新聞が「熱気なき圧勝、見えぬ国家像」という見出しを掲げています。私も同じようなことを感じました。自民党のなかでは「頑張るぞ」と言って盛り上がるような、一種の熱気はあったのかも知れませんけれども、国民はそれを共有できるような雰囲気ではありませんでした。それぞれ3候補の討論を聞いていても、国家像を明確に打ち出したと言える候補はいなかったと言っていいと思います。それぞれ、そういう観点で論戦したというところも見えませんでした。
飯田)この国をどう率いて行くのか、という大きな話よりも、個別の具体的な政策論というところでした。
地方票でも菅氏の圧勝~党員投票をしても結果は同じ
有本)内政の話が多く、細かい話が多かったように見えました。世界がいまどう動いていて、そのなかで日本がどのように立って行くのかということをお話しになった候補はいませんでした。結果としては、菅新総裁の圧勝ということになり、党員投票をやらないことについてメディアがいろいろと言っていましたが、それぞれの都道府県連に割り当てられた地方票を見ても、菅さんの圧勝です。
飯田)菅さんが89票ですから、全体の6割以上になります。
有本)メディアは石破さんに「国民的人気が圧倒的にある」という描き方をしていたのだけれども、それは果たして正しかったのかということがあります。仮に党員投票をやったとしても、菅さんの勝ちは動かなかったように見えます。
飯田)各都道府県で、予備選的なものをやったにも関わらず。
有本)党員投票をやれば、石破さんが広く票を取るという予測もおかしかったのではないかと思います。そういう意味で、盛り上がりには欠けたという印象でした。
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