新型コロナウイルスワクチン~日本における「輸送と人の問題」
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月14日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカで接種が始まる新型コロナウイルスワクチンについて解説した。
アメリカ、12月14日からワクチン接種開始へ
アメリカの食品医薬品局(FDA)が、ファイザーなどの新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を許可したことを受け、配送作業がすでに始まり、12月14日以降、全米各地にワクチンが到着する見通しとなった。最初の接種は高齢者施設の入居者ら約300万人、医療関係者ら約2100万人に対して行われる。
飯田)このファイザーのワクチンは、1人に対して2回接種が必要だということです。
須田)実際にワクチンの接種が開始されるということで、大きく局面が変わるだろうと思います。特にアメリカの場合は、クラスター感染しているところは高齢者の施設ですから、そこを封じ込めることが必要なのです。そのため、大きく局面が変わって来ると捉えられているのだと思います。いずれにしても、イギリスに続いてアメリカでも接種が開始されたということは、世界的に見れば局面が変わって来ますし、日本での接種についても一定のスケジュール感というものが出て来るのだと思います。
感染者数の抑制以外にも心情的な安定が得られる
飯田)特にアメリカやイギリス、フランスやドイツもそうですが、感染者数が相当増えていて、死者数も増えていますからね。
須田)局面が変わるということには2つ意味があって、実際上の感染者や死者の数を抑制させることができるという点での実効性の部分と、心情的なところもあるのです。ワクチンが出て来たということで、集団ヒステリー状態になっているところをとりあえず冷静になれるような状況になった。ワクチンの接種が開始されると、心情を安定させるという点では、大きく局面転換が図れるのではないかと思います。
一般的な接種が行われるまでの見極めが必要
飯田)アメリカとイギリスで始まったということですが、日本も含めて他の各国はどうなるかというところですよね。
須田)これはあくまでも緊急使用ですので、副作用等も含めて、これからどうなるかということについても、見極めて行かなければなりません。それに加えてファイザーのワクチンというのは、かなりの低温で保存しなければならないということもあるので、一斉にスピーディーに接種が行われるのかどうか。この辺りの体制についても見極める必要があります。そして2回接種するということは、マンパワーの部分で負担も大きいわけですから、どの程度のスピードで接種が広がって行くのかということもポイントとなります。
ワクチンの輸送とマンパワーの問題
飯田)航空会社にとっては、このワクチンの輸送需要はかなり大きくなるという予想もあります。
須田)とは言っても、ワクチンを運ぶということはかなりナイーブなものです。その辺りのキャパも含めてできるのかどうかということもあります。
飯田)確かにそうですね。いまは直行便や旅客便が止まっていて、荷物が動かせないという話も出ています。日本に関しては、残念ながら国内でつくるワクチンは間に合いそうにないので、海外から持って来るという形になりそうですが、それは日本国内でも同じ問題を孕むわけですね。
須田)どのような形で末端まで持って行くのかということですね。都市部はいいですけれども。
飯田)冷凍庫を3000個発注したなど、細かい話は出て来ていますが、全体の物流を1からつくるということをしなければいけませんね。
須田)あとは接種をするために必要なマンパワーです。
飯田)確かにいまこれだけコロナにかかりっきりのなかで、お医者さん看護師さんをどうするかというところですね。
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