【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第963回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、Netflixで独占配信中のオリジナル映画『ザ・プロム』をご紹介します。
『glee/グリー』のライアン・マーフィーが放つ、極上のミュージカル超大作
『glee/グリー』を手がけたヒットメーカー、ライアン・マーフィー監督による『ザ・プロム』。
2018年にブロードウェイで上演され、翌年のトニー賞で6部門のノミネートを果たした大人気ミュージカルが待望の映画化となりました。
プロムとは、高校の卒業にあわせて開催される、フォーマルなダンスパーティーのこと。アメリカの高校生にとって大切なイベントを題材に、問題を乗り越え、自分らしく生きようと立ち上がる人々の姿を描いた、とびっきり華やかでゴージャスな感動作です。
『ザ・プロム』のあらすじ
ニューヨークの“元”超人気舞台俳優のディーディー・アレンとバリー・グリックマンは、鳴り物入りで開幕した新作ブロードウェイミュージカルが大コケ。役者生命の危機に立たされることに。
一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高生エマとアリッサが、女性カップルでプロムに参加することを禁止され、悲嘆に暮れていた。
ひょんなことからこの事実を知ったディーディーとバリーは、この機会を利用して自らの役者としてのイメージを挽回させようと思いつく。
同じくキャリアアップを狙うアンジー・ディクソンたちを引き連れてインディアナへとやって来るが、思いもよらない騒動が彼らを待ち受けていた……。
『ザ・プロム』のみどころ
伸びやかな歌唱とキレッキレのダンスに心が踊る本作は、豪華すぎるキャストも見どころのひとつ。
“元”超人気女優のディーディー役は、アカデミー賞を3回受賞した“ハリウッドの生きる伝説”メリル・ストリープ。そしてディーディー同様、酷評されてしまうベテラン俳優バリー役には、イギリス出身の人気コメディアンで司会者としても絶大な人気を誇るジェームズ・コーデン。
万年コーラスガールの売れない女優アンジーに、名実ともにハリウッドを代表する女優であるニコール・キッドマン。第一線で活躍するスターたちが、“落ちぶれたハリウッドセレブ”を演じるというだけでも一見の価値あり。ジョー・エレン・ペルマン扮するエマとどのような化学反応を起こすのか、注目です。
ちなみに、本作でいちばんダンスシーンが多かったのは、最年長キャストのメリル・ストリープ。華やかなパフォーマンスから放たれるスターならではの風格は、さすがの一言です。
周りの目を気にせずに、自分らしく生きることの素晴らしさ。そして、他人を受け入れて寛容であることの大切さを鮮やかに映し出している本作。
歌って踊って、笑って泣ける、極上のミュージカル映画。ハッピーな気分に包まれること間違いなしの1作です。
<作品情報>
■Netflix映画『ザ・プロム』
Netflixにて独占配信中
監督:ライアン・マーフィー
脚本:ボブ・マーティン、チャド・ベグリン
出演:メリル・ストリープ、ジェームズ・コーデン、ニコール・キッドマン、ケリー・ワシントン、アンドリュー・ラネルズ、キーガン=マイケル・キー、ジョー・エレン・ペルマン、アリアナ・デボーズ、メアリー・ケイ・プレイス、ケヴィン・チャンバーリン、トレイシー・ウルマン、ローガン・ライリー、ソフィア・デラー、ニコ・グリーサム、ナサニエル・J・ポトヴィン
日本語吹き替え版:高島雅羅、かぬか光明、田中敦子、皆川純子、中務貴幸、山野井仁、清水理沙、弘松芹香
原題:The Prom
公式サイト https://www.netflix.com/jp/title/81079914
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/