混乱続くミャンマー情勢~日本はどのような形で関与するべきか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月1日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。軍事クーデターが起きて1ヵ月となるミャンマー情勢について解説した。
ミャンマー国軍、デモ隊に発砲~死者18人
ミャンマーでは軍事クーデターから3月1日で1ヵ月となるのを前に、2月28日、軍に抗議する大規模なデモが全土で行われた。これに対してミャンマー国軍はデモ隊に発砲するなどし、国連人権高等弁務官事務所は信頼できる情報として、ヤンゴンなどの6都市で少なくともデモ参加者18人が死亡、30人以上が負傷したと明らかにしている。
飯田)治安部隊の強制排除で、ヤンゴンでデモ参加者が死亡したのは、クーデター後初めてだということです。一気に事態が緊迫化している感じがします。
出口が見えない国軍~国際社会がどう関与するのか
須田)そうですね。ミャンマー国軍の読み違いが出て来ているのだと思います。ミャンマー国内で問題を解決するには、国軍がこのまま強硬派路線を突っ走らなければ、国軍の権威は傷ついて、今回の軍事クーデターは失敗となってしまう。どうやって事態を収束させるのかという問題の出口が見えなくなって来てしまう。国際社会が「どういう形でこの問題に関与するのか」というところが、問われているのだと思います。
制裁を強化すれば中国寄りになってしまう
飯田)各国もこうなって来ると、制裁を強化するのかどうかというところが報道などでは焦点になっていますが、制裁を強化するのも諸刃の剣だという指摘もあります。
須田)制裁を強化すると、国軍もますます強硬化して、それに対して支援の手を差し伸べようとしている中国寄りになってしまいます。それがまたインドシナ、東南アジアの不安定化につながる可能性が高いので、「さあどうするのか」と。ミャンマー国軍に対して強硬路線一本槍では、事態は混迷して行くのではないかと思います。
日本がどのような形で関与するか
飯田)ヨーロッパやアメリカは人権を前に出して、「制裁を強化する」としています。そうすると、当事地域のアジアで民主主義の大国というと、日本ということになりますよね。
須田)日本がどういう形で関与するのか。今回のクーデターの原点は、「選挙に不正があった」と国軍が主張しているところですから、選挙を一旦リセットするというなかで、それをどういうスケジュール感でもう1回民主化のスケジュールを組んで行くのか、選挙をどういう形でやるのか。国軍が納得しない形でのリセットはできませんから、どの程度配慮するのか。いまのところ、国軍に対する配慮はゼロベースです。「元の状況に戻せ」ということになっています。それでは事態は収束しないだろうと思います。
飯田)国連の大使を解任ということで、国連の場で争うというようなことにもなって来ていますよね。いろいろな情報が乱れ飛んでいます。
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