推奨される肺炎球菌ワクチンの接種……肺炎を予防するために必要なこと

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が2020年12月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。肺炎球菌による肺炎を予防するために必要な、肺炎球菌ワクチンについて解説した。

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

飯田浩司アナウンサー)肺炎球菌ワクチンとは、どういったものなのでしょうか?

森田)肺炎を起こす原因となる微生物には、例えば細菌、ウイルス、カビなど、いろいろなものがあります。肺炎球菌とは細菌の1つです。この肺炎球菌は、体力が落ちているときや、歳とともに免疫力が弱くなって来た際、病気につながると考えられています。肺炎球菌は肺炎を引き起こすことで知られていますが、他にも気管支炎、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎など、我々の体にさまざまな悪さをするのです。肺炎球菌ワクチンというのは、肺炎球菌による肺炎を予防するために使われているワクチンです。特にかかりやすいのが、免疫力の弱い小さなお子さんやお年寄りです。こういったことが起こらないために、世界的に、主にお子さんやお年寄りに対して肺炎球菌ワクチンを接種し、感染症を予防しています。

飯田)お子さんは肺炎球菌を持っていることも多いと聞きますが、これついてはいかがでしょうか?

森田)特に乳幼児は、鼻や喉の奥に約20~50%という高い頻度で、肺炎球菌を保菌しているとされています。成人でも3~5%ほど存在しているということですが、菌を持っているからといって、全てが発症しているわけではありません。お子さんでは無症状で保菌している方も多いです。無症状のうちに咳などをすることによって、飛沫などを通じて人から人へうつって行くということも、よくあることなのです。

お子さんから高齢者にうつる、あるいはお子さんと接する機会が多い成人にうつることもあります。特に、がんで治療中の方、あるいは糖尿病や高血圧などの慢性疾患を持つ方は、接し方に注意したほうがいいとされています。また、インフルエンザにかかったときに、肺炎球菌による肺炎が比較的多く起こるとも言われています。

飯田)お子さんを抱っこすると、抱っこした状態でくしゃみをすることがありますが、そこでうつる可能性もあるのですね。

森田)症状がない場合には防ぎようがないのですが、症状があるような場合は、やはりマスクをして接することです。これは肺炎球菌の予防という意味でも、とても大事になって来ると思います。

飯田浩司アナウンサー、森田豊氏、新行市佳アナウンサー

新行市佳アナウンサー)もし症状が出てしまったら、どういった治療が行われるのでしょうか?

森田)肺炎球菌によって起こる肺炎などの炎症は、抗生物質や、いわゆる抗菌剤を用いた治療が可能です。一般的には、ペニシリンという系列の薬が投与されることが多いです。ただ問題なのは、1980年代後半から抗菌剤では反応しない耐性菌も増えていて、現在、臨床分離されている肺炎球菌の約30~50%が耐性菌ではないかと言われているそうです。それを治すためには、やや多めの抗菌剤を用いたり、ペニシリンだけではなく複数の抗菌剤を併用することが必要で、そのようにして肺炎球菌の炎症を鎮めています。

飯田)肺炎球菌ワクチンの接種は、お子さんだけではなく高齢者の方も受けるべきなのですね。

森田)高齢者については定期予防接種の対象となっていますので、65歳で一度ワクチン接種をしていただいて、そのあとは5年間隔で接種することが推奨されています。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます


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