コロナ禍で懸命に働く介護スタッフの努力に目を向けて……現場医師の願い

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東京都医師会理事で「西田医院」理事長の西田伸一氏が3月16日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。高齢者施設で懸命に働く介護スタッフの努力と、そうした努力に目を向けることの重要性について解説した。

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

新行市佳アナウンサー)先生は、認知症や在宅医療、そして嚥下リハビリテーションにも積極的に取り組んでいらっしゃるとのことですが、そういった摂食嚥下のリハビリテーションを行っているのが、いわゆる高齢者施設と呼ばれる場所でもあるのでしょうか?

西田)そうです。在宅ではもちろん、外来でもやっていますし、現在は施設でも積極的に行うようになっています。

新行)高齢者施設にお勤めの方は、いまのご時世は本当に気を遣っていらっしゃると思うのですが、改めて高齢者施設とはどういった場所を指すのでしょうか?

西田)日本には、本当に多くの介護施設類型があります。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などです。いずれにおいても、コロナ感染症のクラスターが発生する可能性は多分にあると思います。実際に第3波では、こういった施設でのクラスターが少なからず報告されていることもあります。

新行)いろいろ対策をとって、気をつけているなかでのクラスターだとは思うのですが、クラスターがどのように起こるのかという部分を教えていただけますでしょうか?

西田)介護施設では、第1波のころから家族の面会をほぼ制限されていますので、入所、あるいは入居されている高齢者の方から発生することはあまりないです。多くの場合は介護に従事する職員の方が、外から施設内に持ち込んで来ます。寝たきりの高齢者を介護する場合、着替え、おむつ交換、清拭など、身体に接触しながら近距離で介護することが多いですから、無防備な状態で行うと容易に感染してしまうことになります。

さらに認知症のある方では、マスクがうまく着用できない場合があります。着用していただいてもすぐに外してしまうことも多いので、さらに感染リスクは増えます。また、感染対策そのものがよく理解できない場合もありますので、入所者間の感染拡大も起きやすくなる状況にあるのでしょう。

新行)コロナにかかった場合、高齢者の方は重症化しやすいと言われており、命を守るためにクラスター対策も必要になって来ると思います。どういった対策をしたらいいでしょうか?

西田)現在、国や都は職員に対するPCR検査拡充の補助、感染防護具の補充、感染対策チームの派遣、ガイドラインの発出、感染対策への補助金の支給などを積極的に行っています。また、クラスターを発生させた施設に対しては、看護スタッフの補充などを行う試みも実施しています。

西田伸一氏、新行市佳アナウンサー

新行)先生ご自身は、どういった対策が必要だと感じていらっしゃいますか?

西田)介護スタッフは、自分の日常生活にもかなり緊張感を持ち、感染予防を徹底して、日々懸命に要介護高齢者へ良心的な介護を提供しています。その努力をクローズアップしていただいて、賞賛することによって、疲弊している彼らのモチベーションを保つということは、非常に大事だと思っています。

現に私が関係している施設でクラスターが発生した際も、介護スタッフは自分が感染するかも知れない状況下で、家族のもとにも帰れず、施設に泊まり込んで入院待機中の感染した高齢者を懸命に介護していました。日夜そういった感染者の方を懸命に支えているのは、決して医療従事者だけではないということを、皆さんに知っていただきたいと思っています。加えて、もともと介護スタッフは、感染に対する教育が十分ではございませんので、今後は感染対策教育なども充実して行く必要があるかと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます


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