ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月27日放送)にジャーナリストの有本香が出演。ロシアがアメリカを「非友好国」リストへ指定したというニュースについて解説した。
ロシアがアメリカを「非友好国」に指定
ロシアのプーチン大統領は、敵対的な行動を取る「非友好国」のリストを作成するよう関係機関に命じた。外務省のザハロワ情報局長は国営テレビ番組で、リストにアメリカが含まれていることを明らかにした。リストに入った国は、大使館の活動や職員の数などで制限を受ける。
飯田)アメリカ側はロシア外交官を追放しています。
有本)その一方で、6月には米露首脳会談が予定されています。予定されているというよりは、調整されているということなのだと思いますが。
飯田)しかし具体的な日程まで出ています。
ロシアとの対立をエスカレートさせると、見えにくくなる中国との対立構図
有本)アメリカがロシアの外交官を追放するという行動に出たのは、偽情報の拡散のためです。2020年の選挙のときに、偽情報を拡散したということが問題とされているわけですが、アメリカの政府機関や大きな企業のコンピューターシステムがサイバー攻撃をされたということです。これはロシアだけなのでしょうかね。聞くところによると、大統領選挙のときに、相当の偽情報を拡散された。選挙後もあったとされるのが、中国系という情報もあります。バイデン政権は中国に対してはやらないのでしょうか。ロシアとの対立だけが取り上げられますが、ここをエスカレートさせて行くと、中国との対立構図が少し相対的に、見えなくなって行きますよね。
トランプ政権以前の「親中国」政策に戻る可能性も
飯田)中国に対してどう出るのか。台湾との関係を強化するように見せつつも、環境問題では握るのかと。
有本)日本でも、ブリンケンさんなどの人権問題での強気な発言などを見て、「アメリカは政権が変わっても中国への強硬姿勢は変わらないのですよ」と楽観的なことを言いますが、私は悲観的なところがあります。ケリーさんが特使として早速上海に行って、その後も動きを活発にしています。中国を同じテーブルに着かせるということをやっている。これは「トランプ政権以前に戻る」ということではないですか。今回のロシアとのやり合いも、「それは中国との方がもっと酷くなかったか?」という感じがするのです。そこはどうするのでしょうか。
アメリカの「アジアへの注力」から局面が変わって来ている
飯田)二正面はできないということですよね。
有本)そう思います。イギリスの軍艦も、いまインド太平洋地域に来ていますね。
飯田)クイーン・エリザベスという空母が来ています。
有本)日本としてはある意味心強いのですが、一方でロシアはウクライナに手を出していますから、ヨーロッパはそちらの方を向くということになります。いまの二正面という話で行くと、アメリカもそちらに力を割かれるということになるので、トランプ政権の最後のように、「本当にアジアに注力して行くぞ」という感じからは、少し局面が変わって来ています。
飯田)日本としては引っ張って来ないといけない。
有本)そこに中国の尖閣界隈での変化があるので、日本はこのままでいいのでしょうか。
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