東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の整形外科医・土谷明男氏が5月18日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍において、少しでもいいから外に出るということの重要性について解説した。
飯田浩司アナウンサー)コロナの影響で外に出る頻度が減り、体が弱ってしまうという話を聞きます。外に出る頻度が減ると体が弱るというのは、本当なのですか?
土谷)私は、家のなかでも体を動かせば変わりはないと思うのですが、外に出たほうが活動量は上がるので、もしかしたらそうなのかも知れません。しかし、「外に出なければならない」とネガティブに考えてしまうことは、あまりよくないと思います。肉体的な問題よりも、精神的な活動度が下がってしまうことを危惧しています。
飯田)強迫観念のように、「とにかく外に出なければならない」と追い詰められるのはよくないですよね。
土谷)「家のなかでもこれはできる」というように、前向きに考えて欲しいと思います。
飯田)在宅勤務の方もいらっしゃいますし、あまり外に出ないので「お腹周りが気になる」という方も多いと思います。どのようなことに気をつけたらいいでしょうか?
土谷)運動量が減るのであれば、食事量も見直してみるといいかも知れません。
飯田)活動量が減ると自分でわかっていたら、そこは減らさなければならないですよね。
土谷)バランスが大事ですので、使う量と摂取する量が均衡しなければ、どちらかに傾いて行きます。
飯田)手っ取り早く減らしてしまおうと考えて、「昼飯を抜こう」という考えはどうなのでしょうか?
土谷)その瞬間だけですので、短期的には減るかも知れませんが、長期的に考えると、やはり食事は一定量きちんと食べていただきたいです。
飯田)サイクルは変えずに量を減らすということですね。一方で、ひたすら家でテレビを見ているようなパターンも多いと思うのですが、同居されているご家族からすると、「心配だけれど、どうしよう」と悩むところでもあると思います。
土谷)そういうご夫婦は多いです。私の外来でもご夫婦でいらっしゃって、奥さんは外に出たがるけれど、旦那さんは家に居たいというパターンが多いです。
飯田)そういう場合、先生はどんなアドバイスをされますか?
土谷)「毎回ではなく、週に1回でもいいので、外に出てください。玄関から1歩出るだけでもいいです」と言っています。大体は1歩外に出ると、それだけで戻ってしまう方はいません。1歩出ればそれなりに歩きますし、外に出ることで意識も変わると思うのです。私たちも、家のなかと外に出るときでは服装も変わりますし、気構えも変わると思います。生活にメリハリも付きます。そういった効果を期待して、「1歩でいいから玄関の外へ出てください」と言うことが多いです。
飯田)なるほど。形から入るというか、気持ちの部分ということですね。
土谷)気持ちの部分は、すごく大きいと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます