東京五輪、「無観客」以外に手だてがあったのではないか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月12日放送)に中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が出演。東京オリンピックの無観客開催について解説した。
東京オリンピック~ほぼ無観客開催決定
東京都への4回目の新型コロナウイルス緊急事態宣言が発令されたことに伴い、東京オリンピックの無観客開催が決定した。
飯田)東京オリンピックの無観客開催が決定しました。そうすると楽しみ方も変わって来るのですかね。
空席の使い方の議論を深めれば、やりようがあったのではないか
野村)無観客にするかどうかと言う前に、キャパの半分を入れるとしたら、半分は席が空いているわけです。その空席の使い方をもっと議論するべきだったのではないかと思います。いまはいろいろな技術があるではないですか。それを使えば、いろいろな楽しみ方ができたのではないかと思うのですよね。
飯田)無観客については、昨年(2020年)のこの時期も、プロスポーツが無観客で行われて、声援をどう届けるかなど、試行錯誤をしていました。
「新しいオリンピック」が生まれた可能性もあった
野村)世界中でいろいろな試みが行われていました。例えば観客席のところに、パネルのようなもので応募した方の写真を掲げることができて、応援席に自分がいるようにしながら、さらに家庭でボタンを押すと、そこから録音された自分の声が出るというような仕掛けもあるわけです。こういうものは放送事業者の方とのいわゆるデマケーションの問題はあるとしても、ウィンウィンの関係になり得るので、もっと議論を深めれば、やりようがたくさんあったのではないかという気がします。
飯田)招致の段階で、そのような技術も駆使して「インタラクティブな五輪にする」のだということが、コロナ前から言われていました。
野村)いまはテレビ放送でも、インターネットとの融合は当たり前になっているので、技術的なものを深めることが、今回のチャレンジになった可能性があるのです。しかも、それがうまく行けば、スタジアムのキャパシティに影響されずに、世界中の人が応援できる「新しいオリンピック」が生まれた可能性があるわけです。それ自体がレガシーになり得たのです。まだ間に合うかも知れないので、そこをやって欲しいですね。
チケットの一部を有料化してVRで競技を観ることができるように
飯田)ツイッターでのご意見を見ていると、「チケットを持っていた人だけでも、VRのヘッドマウントディスプレイを配って、まるで自分が競技場にいるように見せることなどはできなかったのか」などというものもありました。
野村)私もそう思いますね。チケット代の一部を払ってでも、そういう技術を利用するという可能性はあったのではないでしょうか。
「開催反対」ばかりで、議論ができなかった
野村)これまで、「開催するな」という開催反対の声ばかりが先行してしまって、そういう議論ができなかったことが少し残念だったと思います。
飯田)入り口で議論を拒否してしまったというのが。
野村)そこはもう少し、柔軟な議論ができたらよかったとは思いますね。
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