ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月10日放送)にジャーナリストの末延吉正が出演。5年ぶりに対象品目が見直される「消費者物価指数」について解説した。
消費者物価指数が5年ぶりに見直し
全国の世帯が購入する各種の財・サービスの価格の平均的な変動を測定する「消費者物価指数」の対象品目が5年ぶりに見直される。
飯田)見直すたびに数字が少しばらついて物議を醸すということがありますが、今回の基準の見直しをどうご覧になりますか?
対象品目に世間との大きなズレが
末延)改めて何が消えて何が追加になるのかと、対象表を見て驚きました。なくなるものは固定電話機や配達の牛乳の名前が出ていますが、いまどきそんなものはオーソドックスではないでしょう。
飯田)懐かしいなという感じですね。
末延)電話はスマホでしょう。固定電話など持っていない人も多いではないですか。そして追加されるものを見ると、タブレット端末、ハンバーグ、冷凍餃子、サラダチキン、おでん、ノンアルコールビール。みんな普通に使っている、食べているものですよ。これがいままで入っていなかった。つまり何が言いたいかと言うと、消費者物価というのは基準だから、それを見て景気がどうとか、生活がどうとか言っているのに、実際の生活にいまみんなが使っているものがこれまで入っていなかった。いかにお役所の感覚が世の中とズレているかという証明です。
飯田)5年に1回の改定だと、こうなってしまうということなのですかね。
東京オリンピックを新しいものへ変わる転機とするべき
末延)しかも中国やベトナムのように、固定電話の時代がなくて一気にスマホに行ったところは、いまデジタル化で世界の真ん前を走っているでしょう。日本は9月からデジタル庁ができて一本化すると言っていますけれども、実はかなり状況はお寒いのですよ。利権も絡むし、中国などに対するサイバーセキュリティで情報をブロックできるかという問題がある。そういうことを考えたとき、日本は確かにいちばん早くアジアのなかで先進国になったのだけれども、古い構造を残したまま来てしまっているのです。オリンピックが終わりましたが、私は小学校のときに1度目を田舎の家庭科教室で、菅総理風に言えば日紡貝塚チームの「東洋の魔女」のバレーボールを観ました。今回のオリンピックを古いものから新しい時代に変わる転機にしなければいけないと、消費者物価指数の対象品目の世間とのズレを見て、改めてそう思いました。
飯田)象徴的ですね。
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