東京都医師会理事が語る「インターネット時代の医療体制のあり方」
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東京都医師会理事で「水野医院」院長の水野重樹氏が8月20日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルス感染症を含む、今後の医療の課題について解説した。
オンライン診療と対面での診療を両立する
飯田)今後の医療の課題というところを伺って行こうと思います。先生は開業されて30年ということで、長い期間やられています。どういうことをお感じになりますか?
水野)医療自体が日進月歩で、いろいろなところで変化があります。また、医療を受ける方々の気持ちも、何となく変わって来ているなということは実感としてあります。
飯田)どういうところが変わっていますか?
水野)最近では、コロナの問題もあり、オンライン診療が必要性を高めていると思います。ただ、それが絶対ということではないと思うのです。若者はインターネットありきだという偏見もあるかも知れませんが、意外に若い人たちはインターネットだけではなく、人との接点も大事にしているところがあると感じています。ですから両方並行して、よいところを使いながら世の中を動かして行くということのなかで、医療もその体制はしっかり取るべきだと思います。
飯田)インターネットがこれだけ普及して、いろいろな情報があふれているということになると、自分で症状を検索して、自分で診断をつけてから「先生、こうなのでしょう」と来る人も多いような気がするのですが、どうですか?
水野)そういう方もいますが、実際に聞きに来るということは、最終的には、我々に正解を求めているということだと思います。ですから、そこをしっかりと説明して治療するという形になります。「こういう病気もあるかも知れませんよ」というような話が必ず出て来るのです。
コロナワクチンに対するインターネット上の誤情報の影響~メリット・デメリットを示して説明する
飯田)情報が氾濫するなかで、子宮頸がんワクチンのときのように、マスコミも含めて、いろいろな情報があります。「これは怖い」というものを鵜呑みにしてしまって、今回のコロナワクチンもそうですが、打つのをやめようという人が出たり、ミスリーディングのようなものとどう対峙するかというのも重要ですよね。
水野)ワクチンは100%副反応がないというものではないので、それをまず理解していただくことが大事だと思います。メリット、デメリットをしっかりと示して、「最終的にはこちらを選ぶ」という形になるかと思います。20歳代でもうECMOに乗っていらっしゃる方がいるという報道も最近あります。若い人でも決して重症化しないとは言えないのです。ある程度の確率で重症化するので、その辺りのことをよく理解していただくことが大事だと思います。
飯田)そうですね。
水野)ワクチンが若者に行き渡るまでに、もう少し時間がかかりますので、いまできることは、「できるだけ感染させない」。そのような体制が重要ではないかと思います。ご高齢の方はワクチンを接種して、かなり感染率が下がっています。ご高齢の次の段階の人たちが、いま重症化率が高いので、そういう人たちが順番としては打って行くべきだと思います。だからと言って、若者は打たなくてもいいというわけではないので、最終的にはしっかりワクチンを打っていただきたいというのが我々の希望です。
飯田)そして、数としては、待っていればワクチンは来ると。
水野)来ます。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます