尾﨑治夫会長に訊く 「東京都医師会」とはいかなる組織なのか

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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が9月14日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。組織としての東京都医師会について解説した。

尾﨑治夫会長に訊く 「東京都医師会」とはいかなる組織なのか

尾﨑治夫氏

東京都医師会とは

飯田浩司アナウンサー)コロナ禍が1年半続いて、皆さんもフラストレーションが溜まっているなかで、「医師会は会員さんたちを動員していないではないか」という批判もあります。そこで、医師会という組織がどういうものなのかを教えていただけますか?

尾﨑)医師の資格を持った人が、個人で加入する任意団体です。「圧力団体」というような言い方もされていますけれども、圧力をかけているのではなく、地域の医療現場で起きている矛盾点などがあれば、それをまとめて東京都に「こういうところを修正していただけないでしょうか」と直接、要望するような活動をしている団体です。いま2万700名くらいの会員がいます。1万人が診療所、1万人が勤務医です。

飯田)診療所の利益のためだけに動くというような業界団体ではなく、いろいろなお医者さんたちが集まっている団体であるということですね。

尾﨑)決して自分たちの利益を守るということではなく、病院と診療所が一体となって、都民のために医療をよくして行こうということをやっているつもりです。しかし、なかなかそういうところの評価がなく、記者会見などで私が威勢のいい発言をすると、そこだけが捉えられてしまう。そこは、残念な状態だなと思っています。

地域の先生方の協力を得てやって来た~医師会には強制力はない

飯田)会長が表に立って、スポークスマン的な役目も果たしていらっしゃる。そうすると、上意下達のように号令すれば、医師が「ワッ」と集まって診てくれるのではないかという期待があります。しかし、任意団体ということを考えると、動員をかけるようなことは、仕組みとしてもできないと考えていいのでしょうか。

尾﨑)国が有事の際は、「そういうことをやるべきだ」という法律でもつくれば、できるとは思いますけれども。法人経営でも、それぞれが集まっている団体なのです。そこに対して強制力を持ち、「こういうことに従え」ということはできません。

飯田)できないですよね。

尾﨑)私が医師会の会長だからといって、会員に対して強制力はありません。法的にも無理です。「コロナ禍でこれだけ大変だから、何とか苦しい人たちを救うために、みんなで採算を度外視して頑張りましょう」ということで、地域の先生方の協力を得てやっているのがいまの状態です。

尾﨑治夫会長に訊く 「東京都医師会」とはいかなる組織なのか

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

商工会議所のような役割

飯田)ある意味、商工会などと変わらないわけですよね。

尾﨑)変わらないです。

飯田)商工会の会頭が命令しても、町工場が別のものをつくることができないのと同じ理屈です。

尾﨑)医療の場合は命がかかっていたり、公共性が高いですから、ある程度の倫理観を持ってやることはあります。しかし、現行の法制度や自由開業医制のなかで、我々が強制力を持ってやる、ということは難しいですね。

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