東京都医師会副会長で感染症担当、「角田外科消化器科医院」院長の角田徹氏が9月1日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。デルタ株の感染力の強さについて解説した。
従来型よりも2.25倍の感染力を持つデルタ株
飯田浩司アナウンサー)デルタ株の感染力の強さというものは、具体的にどういったところから見えますか?
角田)従来型は1人の患者さんから1.5~2.5人にうつる程度の感染力だったのです。それが、英国株はその1.5倍の感染力。さらにインド株(デルタ株)はその1.5倍ですから、従来型に比べて2.25倍の強さになっています。以前は1~2人にうつっていたものが、いまは1~4人半くらいにうつるという強さの感染力になっていると認識しています。
飯田)だからこそ、1人がうつれば家族全員に感染してしまうということが起こり得るわけですね。
角田)そういう状況だと思います。
重症化へのスピードは変わらないが、数が多いので急に悪くなる人も
飯田)重症化するスピードはいかがですか?
角田)以前のものも、感染してから重症化するまでの平均期間が出ていました。だいたい5~7日程度です。今回のものも、平均すると5~7日くらいで重症化するという値ですから、急に早くなったわけではありません。ただ、これだけ感染者数が多いと、急激に悪くなる人がいるのです。
飯田)なかには。
角田)在宅で急に悪くなってしまったり、不幸にして亡くなるような方が出て来てしまう。
感染者の30%は無症状~知らないうちに人にうつすことも
飯田)自分では感染対策をしているという人ももちろん多いと思いますが、一方で、ワクチンを接種していらっしゃる方もそうですけれど、仮に感染していても、無症状である可能性もあるわけですよね?
角田)新型コロナ感染症は、全体の30%が無症状だと言われています。ですから10人中3人は、感染しても本人は気が付かないということです。感染したことを知らずに、人にうつしてしまう可能性があります。どなたも、自分自身のこととして気を付けていただくということが重要です。
飯田)そうすると、自分の身の守り方も重要ですけれど、他の人にうつさないことも重要になる。どういうところに気を付けたらいいですか?
角田)やはり基本的にはマスクをつけ、手洗いをして自分自身が罹らないことが重要です。そして、密集するようなところへは行かない。家族以外の方とはなるべく会わない。
ウレタンマスクや布マスクを着ける場合は不織布マスクと二重にする
飯田)マスクについてもいろいろな研究結果が出ていますが、やはり不織布マスクがもっともいいのですか?
角田)不織布マスクがもっとも効果があると認識しています。
飯田)ウレタンマスクでは防御効果が落ちるというデータも出ていますね。
角田)不織布がいちばんかなという感じですね。
飯田)出かけるからと言って、ウレタンやナイロンのデザインマスクを選ぶ方もいますけれども、そういう場合は、二重にすることが有効ですか?
角田)二重の方が絶対に有効ですね。そうしていただくとありがたいです。
家庭内でもマスクは着けた方がいい
飯田)感染経路として、家庭内感染が多いということですが、家庭内の行動も変えないといけない部分は出て来ますか?
角田)これだけ家庭内感染が拡がって来ると、家庭内でも、できるだけマスクをしていただいた方がいいでしょう。家庭のメンバーが誰も2週間、外に出て行かないようなメンバーであればいいのですが、外へ行った人が持ち込んでしまうパターンがほとんどです。そうすると残念ながら、家のなかでもマスクをして、食事にも気を付けて、分けて食べていただくということが必要ではないでしょうか。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます