東京都医師会理事で東京産婦人科医会・名誉会長の落合和彦氏が9月24日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。妊婦と新型コロナウイルスについて解説した。
妊婦だけでなく、家族もワクチン接種を
飯田浩司アナウンサー)ワクチンについて、妊婦さんもしっかり打つべきであるということですか?
落合)そうですね。妊婦さんだけでなく、ご家族の方にもワクチン接種をしていただければと思っています。妊婦さんの場合、外から持ち込まれた感染が80%くらいです。皆さんで妊婦さんを守っていただくということが必要だと思います。
飯田)いろいろなデマが飛び交っています。不妊になるとか、赤ちゃんに影響が及ぶということはないのですね。
落合)それはまずないと考えていいと思います。
妊婦を社会のなかで守るという対応が必要
飯田)旦那さんが陽性で、奥さんが陰性だった場合は、動線等々、切り分けながら生活しなくてはいけないのですか?
落合)いまの家庭事情のなかで動線を切り分けるというのは、難しいことが多いと思います。そういう場合には、保健所の指示もあると思いますけれども、ご主人にはホテル療養、あるいはご入院いただくということが必要になるのではないでしょうか。
飯田)そうすると、ウイルスを持ち込まないようにどう努力するかということになりますが、例えばあまり出勤せずにリモートワークで、という対策が必要になりますか?
落合)そうですね。難しい状況もあるかと思いますけれども、とにかく妊婦さんがご家族にいらっしゃる場合には、ご主人もそうですけれども、「社会のなかで守る」という対応が必要だろうと思います。
感染すると重症化リスクが高い妊婦 ~感染してしまったら早期に診断を
飯田)妊婦さんが仮に感染してしまった場合、重症化に対しての注意はどのようなことがありますか?
落合)妊婦さんがコロナに感染しますと、普通の方よりも重症化しやすいことが統計的に出ております。子宮が増大することによって、肺の機能が低下することも一因だろうと言われています。もし感染した場合は、早期に診断してもらってください。重症化させないということが必要です。
妊婦が感染しても出産できる体制は整っている
飯田)たとえ感染したとしても、出産できる体制は整っているのですか?
落合)そうです。東京都では周産期搬送システムをつくっています。感染症や、新生児、特に未熟児医療、それから産科というものが横断的に治療できる施設がいくつか選定されておりますので、そういう意味では、十分な体制は整っていると考えていいと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます