“不支持率”の低い岸田内閣 ~「不支持」に回らなかった30%が選挙で「どちらかに」動く

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月14日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。報道各社の世論調査による内閣支持率について解説した。

2021年10月4日、会見する岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/100_kishida/actions/202110/04kaiken.html)

報道各社で差がつく内閣支持率

10月4日に岸田内閣が発足した。これを受け、報道各社が内閣への世論調査を行っている。内閣への支持率については、日経新聞の調査が最も高く59%、共同通信が55.7%、読売新聞が56%、毎日新聞が49%、朝日新聞が45%と、各社差がついている。

飯田)産経・FNN合同で9~10日に行った調査では、支持率63.2%という結果も出ています。だいぶばらつきがある。

コロナが落ち着いて政権批判が収まった ~内閣支持率に「ご祝儀相場での期待値」は入っていない

鈴木)日本の世論調査の第一人者と言ってもいいのだけれど、長く世論調査を研究している、明治大学政治経済学部の井田正道さんという教授がいます。取材して「なるほど」と思ったので、いろいろなところで機会があれば話しているのだけれども、この支持率をどう見るかということです。各社のマスコミの論調によれば、「そこそこのスタートだ」というところです。菅さんのときは最後の方が酷かったから、それをうまく挽回していると。しかし、過去の政権発足時に比べると低い。

飯田)物足りないような。

鈴木)そこそこにいいのだけれど、「まだ1つ足りない」という、そんな評価ですよね。井田先生が言うには、この数字を見るときのポイントは2つあると。1つは、「コロナについて皆さん考えていますか?」と言うわけです。

飯田)コロナを。

鈴木)コロナ感染がある程度落ち着いて来ていますよね。コロナが落ち着いているということは、政権批判も薄らいで来るのです。彼が言うには、定点で見ていると、菅政権でもコロナが落ち着いたときには、支持率が戻って来ていた。この支持のなかには、「コロナが落ち着いたから政権批判が弱まった」という要素もプラス分に含まれているのだということです。つまり、ご祝儀相場としての期待値がこのなかに入っているかと言うと、そうでもないという見方もできる。

飯田)ご祝儀相場での期待値はそれほど入っていない。

3割の人は岸田政権をまだ見極められていない ~その数が選挙で動く可能性も

鈴木)もう1つは、不支持の方です。支持率はおおよそ50%を超えているし、産経・FNNの調査でも63%でしょう。ところが、不支持率はだいたい20%くらいなのです。普通、支持率が50%を超えたら、不支持率はだいたい30~40%くらいではないですか。でも、不支持率が低いのです。その分の数字がどこに行っているかというと、「わからない」に行っているのです。

飯田)まだわからないと。

鈴木)国民はまだ岸田政権がどういうものか見極められていない。つまり短期決戦だけれど、今度の選挙で何かを見極めたら、3割程の「わからない」という層は一気に動く可能性がある。そういう意味では、まだ定まらない内閣であり、それに対する国民世論なのだということです。何か1つあれば「ガッ」と動く可能性がある。そのようにこの数字を見るべきだと言うのです。自民党も岸田さんも「この勢いを」ということでやっているけれども、まだ国民と感覚の差がある。そういう状況なのだということです。「なるほどな」と思いました。

飯田)確かに、この支持率はある意味、前政権の終わりからするとジャンプアップしているし、総裁選で相当メディアからも注目された。若干の高揚感のようなものが自民党や議員のなかにもありますが、そんなに甘くないということですね。

鈴木)コミュニケーション戦略的に言うと、発信の場をつくればつくるほど、中身が「あれ? 前言を翻しているな」とか、「中身が薄いな」となればマイナスに動くし、逆に「岸田さんはよく発信しているね」となればプラスにもなる。表裏一体なのです。そういうことも今後の支持率、選挙に直結するという状況です。まだ、そういう不安定飛行の状況が続いている。

具体的なものを打ち出せるかどうか

飯田)組閣はしたものの、仕事をしたという状況ではないわけですよね。

鈴木)いろいろな政策についても「検証する」とか、「これからしっかり考えて行く」とか、「議論して行く」とか「検討して行く」とか。そういう話をいくら発信していても、繰り返していたら「具体性がない」ということになってしまいます。岸田さんが具体的なものを1つ打ち出せるかどうかにかかっていると思います。

飯田)その辺りを聞きたいということもあり、野党からは予算委員会を立てて、丁々発止で質疑をやるべきだという話がありましたが、結局それはなかったわけです。

鈴木)政権は常にそうですよ。別に岸田さんだけではなく、国会がまずくなるときにはあまり開きたくないわけです。選挙を早めたのもそうでしょうし。

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