「北朝鮮ミサイル発射」国連安保理で対応一致せず ~米中露の関係が変わらない限りものごとは動かない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月22日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。国連安全保障理事会の緊急会合について解説した。

19日、北朝鮮の国防科学院が行った新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試射=2021年10月19日 朝鮮通信=時事 写真提供:時事通信

国連安保理が緊急会合 北朝鮮のミサイル発射で一致した対応示せず

国連安全保障理事会は10月20日、北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて非公開の緊急会合を開いた。欧米各国が発射を非難し、安保理の決議違反だとして声明の取りまとめを求めたが、中国とロシアが反対し、一致した対応を示すことはできなかった。

飯田)衆院選が公示された日、10月19日に弾道ミサイルを発射した。それが潜水艦から発射されたものだということを、20日に発表しました。

経済制裁を止めて欲しい北朝鮮 ~かまって欲しい

宮家)どういう日程でやっているか知りませんが、いずれにせよ、彼らは新型ミサイルの開発を続けています。そのテストを政治的に意味のあるタイミングで撃っているだけです。1つは抑止力ですが、もう1つは「かまって欲しい」わけですよね。

安保理のなかで米中露の関係が変わらない限り、ものごとは動かない

宮家)「俺たちはこんなにすごいものを持っているのだから、経済制裁なんてやめろ」と言っているのです。既に安保理の経済制裁はありますが、今後新たに安保理決議をつくらなければいけないとなったとき、中国とロシアは北朝鮮とは別の問題でアメリカと喧嘩しているのです。北朝鮮が「かまって欲しい」と言っても、安保理のなかで米中露の力関係は変わらないわけですから、残念ながら安保理は機能しません。しかも、中露は拒否権を持っているのですから、ものごとは動きません。

飯田)動かない。

宮家)日本も昔は頑張って安保理改革や国連改革を試みたのだけれど、結局、これらの国に拒否権を与えてしまった段階で、ある程度いまの状況は見えていたのでしょうね。アメリカは冷戦があのような形で起きるとは当初思わなかったのでしょうけれども、残念ですが、もう当分は動かないでしょうね。

二国間、多国間でものごとを処理せざるを得ない

飯田)そうなると国連の場ではなく、別のところで外交的な努力をするという形になりますか?

宮家)そうですね。残念ですけれども、国連が考えた紛争解決、あるいは問題解決のメカニズムが機能しない部分だけ、二国間もしくは多国間で動く。国連の枠外でものごとを処理せざるを得ないとなると、難しいですよね。

飯田)その辺りを国連憲章のなかで、集団的自衛権などで認めて行っているということですね。

宮家)でも、皆さんご存知だと思いますが、いま韓国に駐留しているのは実は「国連軍」なのです。ただ、国連憲章が想定していた国連軍とは微妙に違うのですけれども。1950年代でまだ国連による問題解決の熱気があったのかも知れません。当時ソ連が安保理会合を欠席したこともあり、国連旗を使う国連軍ができた数少ない例の1つです。

飯田)そうですね。

宮家)それでも残念ながら、憲章が考えるような解決の形には動かなかった。そうなると、当分は睨み合いが続くということでしょうね。

在韓米軍が退くことになった場合、日本の安全保障に大きな影響が

宮家)そのなかでも、北は完全に核兵器を持ちつつあるわけですから、状況は大きく変わっています。では停戦か、休戦か、「いや、平和条約だ」となれば、国連軍はどうなるのか。在韓米軍はどうなるのか。この地域に与える抑止力、もしくは安定の礎といったものが変わって行けば、日本の安全保障にも当然影響があるので、ただごとではありません。しかし、状況は動かない。イライラしますね。

飯田)この状態が続くことも考えないといけないのですか?

宮家)現状維持をするというのも大事です。解決できないのであれば、少なくとも現状が悪い方向に動かないようにするのも大切だと思います。

飯田)先ほどの話にもありましたけれども、北朝鮮が核兵器を持っているということになると、では「どう抑止するのか」という話になるわけですね。

宮家)そうです。

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