東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が11月1日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。子どもと新型コロナウイルスについて解説した。
第5波における子どもの感染 ~新型コロナウイルス
新行市佳アナウンサー)子どもと新型コロナウイルスについて伺いたいと思います。9月2日に行われた東京都のモニタリング会議の資料によると、第5波での東京の新規感染者は、「20歳未満が2割弱」というデータがあります。これは「子どもの感染が少し多かった」ということなのでしょうか?
川上)それまでと比べると、比率的には増えましたけれども、大人の感染が爆発的に増えていましたので、そのなかで子どもの感染者数も一緒に動いたということだと思います。
第5波での子どもの感染は想定の範囲内だった
新行)第5波以前は、「子どもの感染が増えるのではないか」という危機感はあったのでしょうか?
川上)第4波までは、感染の主体が高齢者でした。第5波になって20代や30代など、子どもたちの親世代がかかり始めたということで、子どもへの拡大はある程度予想されていました。
新行)その予想と比べると、結果として子どもにおける感染者数はどうだったのですか?
川上)想定の範囲内か、やや少なかったのではないかと思います。
子どもの感染者の多くは家庭内感染
新行)子どもからお父さん、お母さんへの感染、もしくは逆にお父さん、お母さんから子どもへの感染など、感染ルートについてはどうでしたか?
川上)感染ルートに関しては、基本的には家庭内の感染が多かったですね。それまでと違ったのは、子どもが先に罹って、その看病をして親御さんも発症したというケースがそれまでよりも多かったと思います。
新行)お子さんが発症したときの症状はいかがでしたか?
川上)とても軽かったです。ほとんどのお子さんは少し熱や咳が出てという、いわゆる風邪症状でほとんどの子が終わりました。なかには酸素が必要になる子、あるいはICU管理が必要になる子もいましたので、「子どもならば大丈夫」とは言えないと思います。
保育園内でのクラスター化は少なかった
新行)家庭内での感染が目立ったとおっしゃっていましたが、幼稚園や保育園での、子どもから子どもへの感染はいかがでしたか?
川上)港区の保健所と小児科の時田先生が出されたデータがあるのですけれども、意外と子どもから子どもへの感染、保育園内でのクラスター化は少なかったそうです。また、誰か1人の感染者が出たときに、濃厚接触者とされる他の子どもたちにPCR検査を行った結果も陽性率が低かったそうです。
新行)少なかった。
川上)第5波のピークが夏休み中でしたので、キャンプに行って感染したというお子さんが多かったようです。キャンプや合宿などで一緒に寝起きをして、距離が近付くところでは感染が多かったように思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます