北京五輪への「外交的ボイコット」 ~やらなければ日本は国際社会の信任を失う

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月15日放送)に作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。中国の人権問題に取り組む自民党と超党派の国会議員連盟が、岸田総理に北京五輪への「外交的ボイコット」を求めたというニュースについて解説した。

習近平氏、辛亥革命110周年記念大会で重要演説(北京=新華社記者/申宏)=2021(令和3)年10月10日 新華社/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

北京冬季オリンピック、パラリンピックの外交的ボイコットを考える

中国の人権問題に取り組む自民党と超党派の国会議員連盟は12月14日、総理官邸で岸田総理と面会し、2022年2月の北京冬季オリンピックに公的な外交使節団を派遣しない「外交的ボイコット」を求めた。

飯田)青山さんが代表を務めている「日本の尊厳と国益を護る会」は12月7日の時点で、政府に対して「外交的ボイコット」をすべきだということ、また国会の決議についても総理に直接申し入れています。

青山)7日という日付にどういう意味があったのかというと、日本時間の午前3時ごろ、ホワイトハウスでサキ報道官が「外交的ボイコットをやります」と発表しました。それも「理由は中国の人権弾圧だ」ということをはっきりとおっしゃったのです。

飯田)そうですね。

青山)記者会見が行われたのは日本時間の7日未明ですが、夜が明けたら岸田総理に連絡して、「きょう、護る会と会ってください」とお願いすることを決めました。

飯田)その時点で。

青山)相手は内閣総理大臣ですから、さすがに夜が明けていきなり電話はしません。でも朝早く、7時20分には連絡をしました。そのあと党本部に行って会議に出たら、岸田総理から直接「会います」という連絡が来ました。

飯田)その日のうちに。

青山)護る会は71人もいますが、任意の議員集団ですから、普通は総理となかなか会えません。それに、総理日程の当日変更というのは影響が甚大なのです。

飯田)緻密に組んでありますものね。

青山)そこに10分間の時間をつくっていただき、それも15分に延ばして、我々の意見を聞き、総理も雄弁に語られました。

北京五輪をめぐり、中国側と水面下でやり取りをしている ~閣僚を送らないことは決まっている

青山)中国側は、「我々が東京五輪、パラリンピックを支持したからできた」と言っているけれど、それはおかしいと。中国側は序列の低い人を送って来ただけですし、別に中国の支持で東京五輪が開催できたわけではなく、アメリカがはっきり「支持する」と言ったからできたのです。大統領夫人も来られました。そういうことを具体的に総理ご自身が指摘なさっています。

飯田)総理自身が。

青山)つまり、「実は中国側と水面下のやり取りが、北京五輪をめぐってある」ということを、私たちに話しておられるのと同じなのです。ただ、「アメリカとまったく同じにはしたくない」という意思も岸田総理は強く、閣僚を送らないことは事実上決まっていると思います。

飯田)閣僚を送らないことは。

青山)7日にいきなり総理日程をこじ開けて会っていただけたこと自体が、ある程度の方針が決められている証拠です。そして、自由民主党の議員のなかで、「70人を超える議員集団はどういう考え方なのか」を実際に聞き、最終決断の参考にしようと思われたことは間違いないと思います。

送るのは政府関係者ではなく山下JOC会長にするべき

青山)閣僚は送らないけれども、ゼロということにはしないと。私が思うのは、政府の人間ではない方、山下さんだけにするべきだと思います。

飯田)山下JOC会長。

青山)スポーツ庁長官や橋本聖子さんを送るという案も出ていますが、スポーツ庁長官は閣僚ではないけれども、政府の一員です。橋本聖子参議院議員は主権者に選ばれた方です。それは好ましくないと思い、そのことも申し上げました。それは護る会というより、個人的に岸田総理側に申し入れているのですが、まだ回答はありません。

カーリング会場に掲げられた北京冬季五輪とパラリンピックのエンブレム=2021年4月1日、北京(共同) 写真提供:共同通信社

「外交的ボイコット」と言うべき

青山)ただし、「外交的ボイコット」とは言わないようにしようという、米中の間を取り持つような動きも考えられます。しかし、私の個人的な意見ですが、それは違うと思います。それは取り持つのではなく、浮遊することになるのです。中国は利用しようとして来るし、アメリカの信任、国際社会の信任を失う恐れがある。むしろ信念としては対中宥和を、いまの極端な独裁が続く限りは止める、断つべき時期だと思います。

飯田)「外交的ボイコット」と言うべきだと。

青山)北京五輪に関して言うと、これだけウイグルの方々をはじめ、異民族を苦しめている状況のなかで、「平和の祭典」とはとても言えないでしょう。

「選手団を送らない」ということは避けるべき

青山)ただし、モスクワ五輪ボイコットの経験からすると、選手団を送らないということは避けるべきです。そうすることが、どのくらい長い傷跡を残すか。

飯田)今回の東京オリンピックでも、1年延びたというだけで選手にとってのプレッシャーはとても大きかった。これが4年になるというのは、別の問題として考えなければいけない部分かも知れません。

青山)選手まで送らないということになると、スポーツの範疇を超えてしまう。モスクワ五輪のボイコットのあと、今度は当時のソ連が4年後のロス五輪をボイコットしましたが、あまりにも政治的になりすぎるのです。

「閣僚を送らない」ことは決断している

青山)諸国は事実上、民主主義国家が外交的ボイコットをして、言葉はどうであれ「一致している」ということが大事です。アメリカの真似をするわけではなく、民主主義の連帯を示すためにも必要だと思います。

飯田)日本時間12月7日にアメリカが「外交的ボイコット」を表明した。そのあとイギリス、カナダ、オーストラリアも続きました。さらにニュージーランドはコロナ流行が理由であって、外交的ボイコットではないということを滲ませながらも、政府関係者を送らないことを決めた。EU諸国のなかでもリトアニアなどが出て来ているなかで、日本の表明が遅れていますが。

青山)ヨーロッパではフランスがボイコットをしないということです。パリ五輪が迫っているので、報復を恐れてということはあります。また、フランスは岸田総理よりもアメリカに対して、独自色を発揮したいという伝統的外交がありますから。

飯田)フランスは。

青山)外務省や岸田総理の様子を見ていると、判断が遅れているというよりは、中国と水面下で接触しているのだけれど、中国の顔色が変わり、強硬に出ています。落としどころを探っているのは事実ですが、迷っているというのは違うと思います。閣僚を送らないことはもう決断しています。

今週中に表明するべき

青山)自由民主党の世耕幹事長のような役職にある方からも、「いつまでも引っ張るのはよくない」という趣旨の表明があります。どう考えても今週中でしょう。開会式が2月4日ですけれども、今週中にやらないといけません。年を越すのはダメです。

飯田)そこはさすがにいけませんよね。

青山)日本の拠り所の1つは、公平な大使が中国にいることです。

飯田)垂さんという。

青山)個人的にもよく存じ上げているのですが、強硬論者ではないのです。公平な人で、香港で何が起きているのかということも、独自の客観的な分析を早期からされていました。ただし、垂さんもチャイナスクールなのですが、いままでの外務省の、いわゆるチャイナスクールとは違います。

飯田)視野がもっと大局的。

青山)視野は広いし、あくまでも日本の国益のためであり、「中国共産党には言うべきことを言った方が、中国のためにもなる」という信念は不動のものです。そこをきちんと活用して、「年明けでもいい」というような愚かなことにならないよう、今週中に表明すべきだと思います。

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