ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(12月26日放送)に、教育評論家で法政大学名誉教授の尾木直樹が出演。2021年を振り返った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」
淵澤由樹(アシスタント):2021年を振り返ってみて、いかがですか?
尾木:東京オリンピック・パラリンピックの印象が強いですね。こんなにパラリンピックを見たことはありませんでした。1964年の東京オリンピックの際、パラリンピックはニュースで少し流れるくらいで、今回とはまったく扱いが違いました。障害のあるなしは関係なく、未来のダイバーシティは、いろいろな人がそれぞれの個性などに応じて、全力で生き合う社会なのだというイメージができました。
自見はなこ:子どもたちにとっても、いい経験でしたよね。
淵澤:尾木さんは、2022年公開のドキュメンタリー映画『夢みる小学校』にご出演されるそうですね。
尾木:「きのくに子どもの村学園」が運営する、山梨県の「南アルプス子どもの村小学校・中学校」のお話です。大学の研究室で2部屋隣の教授が、「ゼミ生を連れて行ったけれど感動したよ」と教えてくれたので、私もすぐにゼミ生を連れて行きましたが、想像以上に楽しかった。テストや宿題のない自由な学校なのです。確か通信簿もなかったはずです。
淵澤:そうなのですね。
尾木:修学旅行は、長崎の五島列島に行く予定だったそうですが、その日は台風。本来は中止のはずだけれど、子どもたちが「行く」と言ったので、飛行機を諦め、新幹線などを乗り継いで途中まで行ったそうです。貴重な経験ですよね。そんな自由な学校だから、本来は遊び放題のはずなのに、高校へ進学すると、その学校出身の生徒は皆さん成績が上位なのです。でも、「南アルプス子どもの村小学校・中学校」の校長先生は、このような話を好まれません。成績にとらわれたくないからだそうですが、社会への説得力にはなります。どの子どもも伸びるのです。