ウクライナ情勢 ~世界に向けたロシアの「もう1つのメッセージ」

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ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」(2月24日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。岸田総理がロシアへの制裁措置を発表したというニュースについて解説した。

2021年12月21日、ロシア国防省幹部の会合で話すプーチン大統領(タス=共同) 写真提供:共同通信社

政府、資産凍結などロシアへの制裁措置を発表

岸田総理大臣は2月23日、ロシアがウクライナ東部の親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を国家承認したことを受け、制裁措置を取ると表明した。両地域の関係者のビザの発給停止や資産凍結、輸出入の禁止、ロシア国債などの日本での発行・流通を禁止することを発表した。

新行)総理は今後、事態が悪化した場合は、G7と連携してさらなる措置を速やかに進めるよう取り組んで行くと述べています。

鈴木)外務省の現役幹部などに話を聞くと、「日本としてはヨーロッパやアメリカなどと足並みを揃えて、経済制裁などのプレッシャーを与えながら外交的な解決の糸口を見つける」というような、当然のことしか言いません。そこで外務省のOBに話を聞きました。

ロシアの存在感を世界に示す目的も ~米中だけではない

鈴木)世界の2大大国をG2と言いますが、中国が台頭してからは、G2はアメリカと中国ですよね。双方の首脳もそのことを常に意識していました。

新行)米中ですね。

鈴木)しかし、ロシアのプーチンさんからすれば、「ちょっと待て、ロシアもいるぞ。G3ではないか」という話なのです。

新行)G3だと。

鈴木)世界の舞台では、対立などを含めて米中の存在感はありましたが、ロシアの影は薄かったですよね。今回のロシアのウクライナに対する動きは、そのようなアピールとしての意味もあるのではないかと、そのOBは言っていました。

北京五輪のタイミングを狙ってのことか

鈴木)ロシアはタイミングも計っていたのではないでしょうか。北京オリンピックのタイミングだったので、中国はオリンピックをやっている以上、政治的にいろいろと動けませんよね。

新行)北京オリンピック開催中は。

鈴木)今回のウクライナ問題によって、「ロシア対欧米」という構図になり、ロシアの存在感が増しています。これがプーチンさんのなかで先を見据えた、G3としての存在感を示すのが狙いなのではないかという見方もあります。

既に実質的な侵攻は進んでいる

鈴木)東部地域について言うと、既に実質的には、軍事的な侵攻の下地をつくっているのです。形の上では、いま統合云々という話が出ていますが、実質的にはもう進んでいて、プーチンさんとしては、軍事的な基地などを整備する下拵えまでして行けばいいのではないかと。そういうことを言っていました。

経済制裁もまだ序章

鈴木)いま経済制裁が出ていますが、バイデンさんも言っていましたけれど、これはあくまでも第1弾で、どれほど効果があるのかということです。指定している銀行も下位の方の銀行です。

新行)効果がどれほどあるのか。

鈴木)まだ序章という感じのやり合いなので、これから外交的な解決を見ながら進んで行くのだろうと思います。「それほど緊迫した状況ではない」というような表現を、その外務省OBの方はしていました。

日本のメッセージは遅い

鈴木)では日本はどうすればいいのかと言うと、「日本はメッセージが遅い」と言っていました。北京オリンピック参加のときもそうですし、今回もそうですが、どうしても追従型に見えてしまいます。安倍さんとプーチンさんは関係がよかったのだから、解決はしなくとも、世界が「日本の外交メッセージは強い」と思うような強いメッセージを工夫して発信し、この機会を前向きに捉えればいいのですが、そこが岸田さんは遅れている、ということも言っていました。

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