ジャーナリストの須田慎一郎が5月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現在行われている岸田総理の5ヵ国歴訪について解説した。
東アジア、ヨーロッパを歴訪 ~岸田総理大臣がベトナムで首脳会談
東南アジアとヨーロッパ5ヵ国を歴訪中の岸田総理大臣は5月1日、ベトナムのファム・ミン・チン首相と首脳会談を行った。会談ではウクライナ情勢について、即時停戦の重要性や民間人に対する攻撃への反対で一致。主権や領土の一体性尊重が重要だと確認した。
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飯田)ベトナムでの首脳会談後、岸田総理による記者団へのコメントでした。岸田総理は4月29日から、インドネシアを皮切りに各国を歴訪しています。ベトナムのあとはタイに移動し、5月2日にはタイのプラユット首相との会談が予定されています。この歴訪をどう見ていますか?
新たなステージに入ったロシアへの経済制裁 ~世界経済の新たな枠組みをどう構築するか
須田)ロシアによるウクライナ侵略の影響を受けて、世界の体制をどのように構築していくのかということが最大のポイントです。それについても、新たなステージに入ってきたのではないでしょうか。
飯田)新たなステージに。
須田)これまでは経済制裁を中心に、ロシアに対してできる限りの圧力を掛け、ウクライナ侵略を止めようとしてきました。今後の新しいステージでは、戦争が長期化したあとのことも見据えて、「世界経済の新たな枠組みをどう構築するか」ということです。
飯田)新たな枠組みを。
須田)経済の分野、特に民間企業の世界ではこれ以上、ロシアビジネスが成立し得ないということです。今後、ウクライナ以外の国に対する軍事的な侵略のリスクも避けることができないという状況のなかで、民間企業がロシアに出ていって商売することは、もう成立しないという流れになっているのです。プーチン体制がひっくり返れば別なのでしょうけれども、そうでない限りは成立しません。
ロシアに対して「あなたの国はどういうスタンスで臨むのか」を協議
須田)ただ、いきなりゼロにするわけにはいかないので、徐々に引いていくなかで、G7は意思の統一として、やらないという方向になってきました。それによってエネルギーを中心に、大きな影響が世界経済全体の枠組みのなかに及んでくるけれども、「あなたの国はどういうスタンスで臨むのか」というところを協議しているのだと思います。
ロシアに対する制裁に協力できるかどうか ~G7としてのメッセージを伝えることでリスクを抑える狙いも
飯田)岸田総理のコメントにもありましたが、ベトナムに関しては、兵器などもかなり旧ソ連から入れてきていたという歴史的なつながりがあります。しかし、「この先はそのままではいけない」と示していくことになりますか?
須田)加えて西側諸国としては、G7各国を中心に「ロシアとはビジネスをやらない」という前提があります。そうなると、他の方々は続けていくのかどうか。続けていかないとするならば、G7がどういう形で協力できるのか。
飯田)G7が。
須田)これまでの経緯からして、首に縄を付けてこちらの陣営に引き込むことは難しい。ただ、「こういう方向で進んでいる」というメッセージを発することによって、ベトナムであればベトナム、タイであればタイのリスクを最小限に食い止めようということです。
ロシアと取引する国に対する二次制裁について
飯田)ロシアと取引をした他の国に対しても、二次的な制裁を行うのではないかという話があります。特にアメリカからは、二次制裁についての話が以前から出ています。その辺りのリスクを少しずつ縮減していくということになりますか?
須田)二次制裁の件は、アメリカサイドには「どういう状況下で、どのような条件で発動されるのか」ということを明確にするよう求められています。特に金融制裁の場合は、思い付きでやられてしまうと大混乱に陥ります。アメリカにとっては「ルールの明確化」が必要なのだと思います。
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