キャスターの辛坊治郎が7月6日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。アルジェリアの独立60周年記念パレードについて持論を展開した。
アルジェリアで5日、フランスからの独立60周年を記念する軍事パレードが行われた。アルジェリアは1962年7月5日、フランスとの8年間に渡る独立戦争を経て、132年に及んだフランスの植民地支配から脱した。
辛坊)第2次大戦が終わったのは1945年ですから、アルジァリアの独立は大戦終結後17年もたってからだということになります。世界で「民族自決」ということが盛んに言われ、「民族は自決して、それぞれの国をつくろう」という国際的な機運は、第1次大戦が終わった1918年、アメリカのウィルソン大統領(当時)が言及したことが契機となりました。この後、続々と独立国が誕生し、現在の世界地図になったというイメージもあります。
しかし、第2次大戦まで世界には、いわゆる大国の植民地がたくさんあり、アフリカの多くの国もそうでした。ですから、130年以上もフランスの植民地だったアルジェリアが8年もの戦いを経て、大勢の血を流してフランスから独立を戦いとったという出来事は、第三世界に非常に大きなインパクトを与えました。アルジェリアの独立をきっかけに、次々に独立国が生まれていったのです。
そのアルジェリアは今、ヨーロッパにとって非常にデリケートな国になっています。というのも、地中海に面したアルジェリアは海底に敷いたパイプラインを通し、天然ガスを対岸のヨーロッパに供給しているからです。天然ガスといえば、ヨーロッパ各国がロシアから供給を受けることを止めようとしていますよね。そうなると、アルジェリアの天然ガスはヨーロッパにとって重要になるので強気に出るのですす。そして、アルジェリアは大量の武器をロシアから供与されるなどロシアと仲がいいんです。そこが、やっかいなところです。
アルジェリアでフランスからの独立60周年を記念するパレードが大々的に行われましたが、パレードの場にフランスのマクロン大統領の姿がなかったというのが、このニュースが注目されるポイントです。一側面だけを見ると記念パレードを行ったというだけの話ですが、国際的な視野で見ると「今のアルジェリアは西側諸国にとってちょっと面倒な国」というニュースです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)