日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が8月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米空軍・特殊作戦司令部が飛行停止を決定したオスプレイの問題について解説した。
オスプレイ
米空軍のCV22オスプレイは主に特殊部隊の輸送で使われ、東京・横田基地にも配備されている。日本国内でも各地で訓練などが行われているが、アメリカの国防専門メディアなどによると、米空軍の特殊作戦司令部は8月16日、所属している輸送機CV22オスプレイ52機の機体すべての飛行を停止したとのことだ。2つあるエンジンの1つと、ローターをつなぐクラッチが不具合を起こす問題が2017年以降で合わせて4件、過去6週間で2件発生しているそうで、この問題による死傷者は出ていないが、米空軍は原因がわかり対策が講じられるまでは地上に待機させる方針。
飯田)ティルトローター機と言われていて、ヘリコプターモードで浮上もできますし、上に向いている回転翼を横に90度ずらすことができ、そうすると飛行機モードで飛ぶことができます。使い勝手がいいと言われていますが、一方で、初期の不具合はいろいろあって問題にもなっていました。
秋田)まさにオスプレイの問題は、「沖縄をどう守るか」ということです。沖縄をどう守るかということは事実上、日本防衛と同義になってきます。私も沖縄へ何度も出張に行き、特に米軍・普天間基地によく取材に行ったのですが、丘の上から見ると、住宅地が密集しているところに普天間基地があるのです。
飯田)住宅地の真ん中に。
秋田)早く移転しないと、オスプレイの問題がより深刻になったときに心配だなと思います。オスプレイが普天間基地の主力部隊として配属されていますので、早く安全を確認して欲しいと思います。
日本の防衛をどうするかということは、沖縄の防衛をどうするかということ
秋田)日本の防衛が話題になりますが、突き詰めると、台湾海峡もしくは尖閣で何かが起き、そこから紛争になったときに「日本をどう防衛するか」ということは、沖縄の防衛なのです。
飯田)日本を防衛するということは。
秋田)沖縄の南西諸島はほとんど沖縄に属しています。そうすると、沖縄に所属している自衛隊と米軍が初期対応に当たるわけです。ところがいまの日本の自衛隊の体制は、徐々に南にシフトしていますが、まだ北海道に弾薬や燃料の多くが貯蔵されていると言われていますし、完全にはまだ南にシフトできていない。沖縄の人はオスプレイの問題があるから、戦力がこれ以上展開してくることに対してアレルギーがある。そこを何とかしないと、日本の防衛にはつながらないと思います。
アジアでの米中の軍事バランスが急速に中国優位に ~自衛隊の南西諸島への展開速度を速めるべき
飯田)きちんと備えておかないと、誤解されてしまう。「いまのうちに叩けるぞ」と思わせてはいけません。
秋田)ようやく与那国島や石垣島という、沖縄の最前線に自衛隊の部隊が駐屯するようになり、徐々に南へのシフトが始まっています。しかし、米軍関係者に取材すると、米中の軍事バランスがアジアでは急速に中国優位になってしまって、いまの自衛隊による南西諸島への展開のペースでは流れに間に合わないかも知れないと言います。「速度が重要だ」と言っていました。
飯田)その辺りは、予算も人も装備もということだと思います。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。