日本のコロナ対策の厳しさは先進国のなかでも「異常」である

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日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が8月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現状での各国の新型コロナウイルスへの対応の違いについて解説した。

日本のコロナ対策の厳しさは先進国のなかでも「異常」である

※画像はイメージです

海外から見る日本の新型コロナ対策

飯田)新型コロナについて、昨日(8月18日)も全国で見ると過去最多の感染者数であり、さまざまな問題が出てきています。一方で全数調査をどうするのかという話も出ています。どうご覧になりますか?

秋田)私は今年(2022年)に入ってアメリカとインド、シンガポール、7月にはベルギーのブリュッセルに行ってきました。出張を再開したのです。海外に出てみると、日本は先進国のなかでも異常と言っていいくらい、厳しい新型コロナ対策をよくも悪くも取っています。

各国の人が集まるベルギーでの会議でマスクをしているのは東洋人のみだった

秋田)ブリュッセルでは、欧米の人を中心に100人くらいが集まった会議に出席しました。当然、みんなマスクをしているのかと思ったら、「マスクは推奨するけれど義務ではない」と言われて、会場に入ったらマスクをしているのは100人中5~6人いるかいないかでした。その5~6人はアジアから来ていると見られる人でした。

飯田)マスクをしていたのは。

秋田)なぜマスクをしないのか聞いてみると、もうワクチンを3回以上打っているからだと。何のために打っているのかというと、重症化しないためであり、生活を取り戻すためだから、できるだけノーマルにしたいということを口々に言っていました。

異常なコロナ生活を続けることに慣れるのではなく、普通の生活に戻す努力をするべき

秋田)日本に帰ってくるときは、出発する72時間以内にPCR検査をしなければいけないではないですか。これが海外へ出ていく身にとっては、障害になるのです。自分が帰ってくるときに苦労したから言うわけではないのですが、やはりワクチンを打っていれば重症化しないということがわかってきたのだから、異常なコロナ生活を続けることに慣れるのではなく、元に戻すような努力をすることが、若い人たちや子どもの成長を考えても大事なのではないかと思います。

飯田)鳥取県米子市の“シュン”さん・34歳の方からのご意見です。「コロナ禍になって3年目ですが、重症化率が低くなっているのは明らかなのに、周りがいまだに不安を煽るような雰囲気ばかりでうんざりします。私は町役場に勤務しているのですが、『県外との往来は慎重に。イベント開催は慎重に判断を』というような雰囲気です。ただ、行動制限がないので、久しぶりに海水浴をしたりして夏らしいことができたのは救いです。早く普通の日常に戻してください」といただきました。役場であれば、特にそういう圧力や「行政が間違ったことをしてはいけない」というようなプレッシャーがあるのでしょうね。

秋田)日本人は100%の安全性を求めがちですよね。

中国のゼロコロナ政策は長続きしない

秋田)完璧主義なのは、いいことでもあると思うのです。ただ、100%を求めるなら中国のゼロコロナ政策のようなことをやらないと、難しいと思います。面白いのは、こういうパンデミックのような危機に際して、人間もそうですし国もDNAがより強く出ますよね。

飯田)DNAが。

秋田)世界の国をDNAで分けると、完全に軟化しているイギリスのような国と、その対極として、1人でも感染者が出たらロックダウンする中国という両極がある。その真ん中よりも少しイギリス寄りくらいのところに、日本がいるのかも知れません。どう考えても、中国のゼロコロナ政策は長続きしないですよね。状況で言えば、中国は2019年末と同じだと思うのです。誰も感染していない状態。オミクロン株に感染していない。ということは、新しい感染爆発のリスクが高いですよね。

飯田)免疫がない分。

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