キャスターの辛坊治郎が9月7日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。西村康稔経済産業相が出張した際に職員がすべき対応をまとめた“トリセツ”が存在していたことについて、「本人が知らなかっただけ。私に対するマニュアルもあると思う」と持論を展開した。
西村康稔経済産業相は6日の閣議後の記者会見で、出張の際に土産物を運ぶ荷物持ちが必要だと記載された経済産業相の職員マニュアルの存在を認めた。西村氏は今後の対応について、「過度に気を使う必要はないと事務方に伝えた」と明らかにした。
辛坊)官僚が作った大臣の取り扱いマニュアルですね。今回、西村経産相の“取り扱い注意文章”がたまたま表に出てしまったので、面白おかしく伝えられていますが、表に出ていないだけで、どの省庁でも作っているんじゃないですか。やはり、官僚にとっては大臣の機嫌を損ねず、その大臣の在任中に自分たちのしてもらいたいことを実現するという意識があるんですよ。いわゆる政治家操縦術というやつですね。これが官僚の昔ながらのやり口です。
高級官僚というのは、本音のところで政治家をばかにしていますからね。「こんな頭の悪いやつが…」と。でも、政治家は選挙で選ばれていますから、そうは言えないわけです。そうなると、政治家をおだてて、ヨイショしまくり、自分がしてほしい方向に政治家を仕向けていくわけですよ。政治家にへそを曲げられては困りますからね。その政治家の取り扱いマニュアが今回、表に出てしまったんです。
ただ、表に出てしまったことが異例なだけで、官僚が大臣の取り扱いマニュアルを作ってること自体はそんなに珍しくはないと思いますよ。それにしても、今回の大臣取り扱いマニュアルは結構、笑えます。西村経産相の出張時の注意点がまとめられています。例えば帰宅時での対応として、西村経産相は夕食を購入するために駅構内を散策するため、弁当購入部隊とサラダ購入部隊の二手に分かれて対応することになっています。
増山さやかアナウンサー)何の部隊ですか、これは。
辛坊)西村経産相は弁当とサラダを別々に買うんでしょうね。こだわりがあるんじゃないですか。マニュアルを作った官僚たちの間では、「あの大臣は必ず弁当とサラダを別々に買うから、時間がおして両方買いに行けなくなるとまずいから、弁当を買う部隊とサラダを買う部隊が必要だ」ということになったんでしょうね。まだあります。西村経産相は土産の購入量が非常に多いため、荷物を持つのに1人では足りないから、複数人で持つ必要があるとしています。こうしたことを文書で引き継ぎしているなんて、笑えます。
増山)でも、現場では笑い話ではないんでしょうね。
辛坊)そうでしょう。現場の上席は部下に対して「おい! 大臣はとにかく土産をたくさんお買いになる方だから、土産の持ち手は2人以上用意するように。1人じゃ無理だから!」なんて、やり取りがあったんじゃないですか。
増山)ドラマの中の話みたいですよね。
辛坊)ところで、西村経産相は土産の購入について何て言ったかというと、「福島の復興には地元産品をたくさん消費することが大切」みたいな説明をしたんです。「えっ? そっちですか」という感じですよね。本当に笑い話のような話ですが、私としては「日本流だなあ」とも思いました。きっと、本人が知らなかっただけなんです。本人が知らないうちに、こうしたマニュアルができているなんてことは、世の中にいくらでもあると思いますよ。
増山)辛坊さんにも、あるんじゃないですか。
辛坊)ありますよ。びっくりしたことがあります。某新聞社系の講演会に呼ばれることがあるんですが、いつも同じ銘柄のミネラル炭酸水が置いてあるんです。なぜだろうと、ずっと疑問だったんですが、ようやく気づきました。私は、その新聞社系のイベントに何度も呼ばれているのですが、一番最初の打ち合わせをあるホテルで行ったときのことです。
おなかの調子が良くなかったのと、あまり値段の高い飲み物を注文するのも嫌だったので、最も安いミネラル炭酸水を注文したんです。それが、その銘柄でした。たぶん、このときのことが、その新聞社の人たちに引き継がれたんだと思います。それ以降、「コーヒーが飲みたい」と思ったときでも、必ずその銘柄のミネラル炭酸水が用意されているんです。
増山)そういうことですよ。そういうことが、今回の大臣マニュアルなんですよ。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)