コロナ禍で増える「帯状疱疹」 発症した場合、かかるのは皮膚科か内科か?

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東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が9月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍のストレスによって増えている帯状疱疹について解説した。

コロナ禍で増える「帯状疱疹」 発症した場合、かかるのは皮膚科か内科か?

※画像はイメージです

コロナ禍で増えている帯状疱疹

新行市佳アナウンサー)今回はコロナ禍のストレスなどが影響する病気について教えていただきたいのですが、どのようなものがありますか?

鳥居)いま話題になっているものの1つは、帯状疱疹です。これまでも疲れなどから帯状疱疹になることはありましたが、いまは自宅療養によるストレスがあったり、疲労が蓄積すると体力も抵抗力も落ちます。

新行)自宅療養などで。

鳥居)この病気は、水疱瘡のウイルスが体内に潜んでいて、体力や抵抗力が落ちたときに表面に出てくる病気です。今回、コロナ禍でのストレスが溜まっていたり、あるいは無理をして疲労が蓄積しているときに出やすいと言われています。

新行)帯状疱疹の患者さんが増えているという実感はありますか?

鳥居)これまでも、風邪になったり、旅行で疲れたときには帯状疱疹が出る。また、お年寄りで発症する患者さんはいらっしゃいました。しかし、いまは比較的、若い方でも出ています。

帯状疱疹はどんな症状なのか?

新行)改めて、帯状疱疹はどのような症状が出るかを教えていただけますか?

鳥居)最初は発疹が出ず、何となくむずむずしたり、痛痒い感じを訴えます。多くは神経の流れに沿って症状が起きますので、左右どちらかの半身にできます。

新行)どちらかの半身に。

鳥居)しばらくすると、神経に沿って帯状の発疹が出てくるのが特徴です。そこまでくると、診断が非常に簡単にできますが、最初の症状だけではわからないこともあります。

新行)体のどこにできることが多いのでしょうか?

鳥居)肋間神経に沿って、胸にできることが多いです。酷くなると顔にできることもあります。三叉神経や顔面神経に沿って、痛みが強くなったり、目の方に出ると失明の危険もありますので、早めに専門の窓口へ行ってください。

コロナ禍で増える「帯状疱疹」 発症した場合、かかるのは皮膚科か内科か?

鳥居明氏、新行市佳アナウンサー

帯状疱疹は皮膚科か? 内科か?

新行)帯状疱疹の場合、診療していただくのは皮膚科ですか? 内科ですか?

鳥居)皮膚に症状のない場合は内科でご相談いただいて、ポツポツが出てくれば皮膚科でいいと思います。「抗ウイルス薬」というウイルスに効く特効的な薬がありますので、早めにそれを使っていただくのがいいでしょう。帯状疱疹は長く痛みが残るのです。それを抑えるには、早めの治療をお勧めしています。

新行)けっこう長引くのですよね。

鳥居)長引くことが多いですね。発疹自体は1週間~10日くらいで消えるのですが、そのあとに神経の疼痛があり、これが残ることが多いと言われています。ひどい場合にはペインクリニックでいろいろとブロックするなど、そういう治療が必要になることもあります。

帯状疱疹の予防法

新行)帯状疱疹の予防法はあるのでしょうか?

鳥居)ストレスと疲労の蓄積によって起こりますので、食事を規則正しく摂り、十分な睡眠を取ること。あとはストレスを解消して、体力や抵抗力が落ちないような生活をすることがお勧めです。

新行)ワクチンはあるのでしょうか?

鳥居)水疱瘡のワクチンは昔からあるのですが、子どものときに打つものです。弱毒性の水痘ワクチンで、生ワクチンを皮下注射します。1回打つことで効果が出るのですが、予防効果は50%くらいなのです。

新行)水疱瘡のワクチンは。

鳥居)値段的には1回8000円で済むのですが、いま新しい薬として「不活化ワクチン」というものがあります。非常に効果が高く、予防効果は90%以上です。

新行)90%以上ですか。

鳥居)筋肉注射で2回、2ヵ月間隔で行います。こちらは1回2万2000円、2回で4万4000円と高額ですが、50歳以上の方だと、自治体によっては助成が出るところもあります。予防としては非常に効果がありますので、お勧めしております。

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