「質問権の行使」になぜ専門家会議を開く必要があるのか 高橋洋一が指摘

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数量政策学者の高橋洋一が10月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。文化庁の専門家会議が基準づくりを開始した「質問権」行使について解説した。

「質問権の行使」になぜ専門家会議を開く必要があるのか 高橋洋一が指摘

【世界平和統一家庭連合(旧統一教会)会見】会見する教会改革推進本部の勅使河原秀行本部長(左)と福本修也弁護士=2022年9月22日午後、東京都渋谷区 写真提供:産経新聞社

質問権

旧統一教会をめぐる高額な献金や、いわゆる霊感商法の問題について、岸田総理大臣から「質問権」の行使による調査の指示を受けた文部科学省は、10月25日午前、初の専門家会議を開催した。専門家会議は数回開かれる見通しで、宗教団体幹部や大学教授など10人余りが「質問権」を行使する条件や範囲などについて議論するとみられる。

飯田)具体的な方向性は11月上旬にも示すことを明らかにしたそうです。

なぜいま質問権を行使するというときに専門家会議で話を聞かなければいけないのか

高橋)質問権はオウム真理教事件のあとにできた法律なので、なぜいま質問権を行使するというときに、専門家会議で話を聞かなければいけないのだろうかと思います。役人であれば、すべてすぐに答えられるはずです。

飯田)20年ぐらい基準なし、ということなのでしょうか。

高橋)あり得ませんよね。急に「解散命令を請求する」と岸田さんが変えましたが、話としては簡単なのです。要するに、裁判所が最後は解散命令を出すのです。役所は請求するだけです。請求するだけならば、範囲を狭めるようなことはしません。できるだけ広くしておいて、あとはケースバイケースで対応するのが普通です。

飯田)最初は「刑事事件に限る」と言っていました。

高橋)それはあり得ません。判例を見ていても、「刑事事件など」と書いてあります。「など」ですべて判断して答弁するのが普通であり、あとはケースバイケースでいいのです。ひどい答弁だなと思っていたら、質問権で「これから勉強します」ということですよね。

飯田)結局、最後の判断は裁判所が行いますからね。

宗教法人法を上手く執行できていない典型例

高橋)以前の民事事件の判例などで行うと思いますが、本当は外為法や実定法の話を調べて、違反などがあれば、すぐに請求できるのです。はっきり言ってそちらの方が簡単です。ところが、それをやらずにきてしまった。「やらない」という前提だったのでしょうね。

飯田)外為法などからは。

高橋)最後の答弁で、「民法上の不法行為は含まない」という変な答弁をしているのは、まさしくそうなのです。宗教法人法を上手く執行できていない典型例です。

多額の献金を海外送金した際、海外送金の手続きを「正当にしたか、していないか」は宗教法人と金融機関に資料を出してもらえばわかる

飯田)「外為法」という言葉が出ましたが、外為法は外国為替に関する法律ですよね。

高橋)刑法違反があればそれはそれでいいのですが、いままでの裁判ではないですよね。そうすると、「実定法違反」が最もそれに近いのです。実定法と言って、外為法などがすぐ例にあがります。多額の献金を宗教法人が受けたとして、献金を海外送金した際、「海外送金の手続きをきちんとしていたか、していなかったか」については、信者に聞かなくても、宗教法人と金融機関に聞けばすぐにわかります。こちらの方が簡単だと思うのです。

飯田)宗教法人に関しては、質問権の行使で、「外為法でどうですか」ということを聞けばいいのですね。

高橋)「すべて資料を出してください」と言うのです。それを金融機関に照会して、他の事例があったかどうかを見ればすぐにわかります。そのように簡単にできて刑法違反に近い話というのは、私であれば質問権のなかですぐに思いつきます。

飯田)質問権のなかで。

高橋)しかし、これから質問権について有識者に聞くということは、何を質問していいかわからないということです。ですので、「役人としてはレベルが低いな」と思ってしまったのです。

外為法に違反しているかどうかをチェックすることは簡単にできる

飯田)旧統一教会については高額な献金が海外、特に韓国などに送られている。

高橋)「献金をどうしたのですか?」と聞くだけです。どのように送金されたかを調べればいいのです。

飯田)実際のお金の流れを見ていく。

高橋)見ていって、「どこに送金を依頼したか」ということをすべて聞くだけです。本当に違反があったかどうかはわかりませんが、チェックするのは簡単ですよね。

飯田)韓国などの現地の宗教法人なのか、誰かに送ったのかというところですよね。

高橋)「どこを送金先にしましたか」というだけのことです。

金融機関にデータは残っているはず

飯田)宗教法人であるということで、法人税等の税金優遇がされていて、それが原資になっている。それを例えば海外の個人に送ったということになると、「どういうことだ?」となりますね。

高橋)金融機関のデータや取引の記録などをつぶしていくことは、それほど難しい作業ではありません。

飯田)電子データはすべて残っているはずですよね。

高橋)相手は金融機関ですから。金融機関でないのなら、それは違法ですよ。

飯田)送金の手段として。入りと出が合わないとなると、「どこに行ったのだろうか」という話にもなる。

高橋)高額な場合、現金でそのまま持ち出していたらアウトですからね。調べるのは簡単だと思います。

飯田)そのような具体的な話がなかなか出てきません。

高橋)不思議ですね。半年ぐらい前に出てくるような話です。

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