数量政策学者の高橋洋一が11月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。イーロン・マスク氏のツイッター社買収について解説した。
イーロン・マスク氏のツイッター買収策
イーロン・マスク氏が買収したツイッター社が従業員のおよそ半数を解雇した件で、日本法人においても同様の波紋が広がっているようだ。一部報道によると、日本法人でも幅広い部署で社員が解雇された他、「モーメント」機能の更新も停止しており、運営するキュレーションチームも解散したとみられる。
飯田)ツイッターを使っていると流れてくるタイムラインに、「話題」や「スポーツ」など、「この人はこういうものに関心があるだろう」と差し込まれる機能があったのですが、それがいま消えています。「タイムラインがおとなしくなった」と書き込む方もいらっしゃいます。
高橋)人がそこで働いていたということです。働いている人は、マスコミ出身の人が多いですよね。
解雇法制という観点から、日本の場合はどうなるのか ~解雇法制と矛盾する話が出る可能性も
高橋)解雇法制という観点から見ると、イーロン・マスクさんはドライに、欧米のやり方で動いています。それを日本法人にも行うのでしょうが、「どうなるのか」という興味がありますね。日本の場合は、法律的に解雇の要件がいろいろありますから。
飯田)そうですね。
高橋)「訴訟になったらどうなるのか」は興味深いです。実験的なやり方を日本でもするのかなという感じがします。
飯田)もともとの雇用契約がどうなっているのかにもよると思いますが。
高橋)もちろんそうなのですけれども、日本の場合は保守的ですよね。金銭解雇はダメだというような、いろいろな要件があるでしょう。日本法人でそれほど赤字になっていなければ、解雇法制と矛盾する話が出るかも知れません。本当に赤字であれば仕方ないのですけれども、どうなのかはよくわからないですね。
飯田)解雇法制と矛盾する可能性も。
日本では「日刊新聞紙法」によって、新聞社を買うことはできない
高橋)そのように私は見ています。日本とは少し違う経営のやり方ですから。メディアを買ってしまって、上場をやめさせるというやり方なのだけれども、通常は日本でメディアを改革する場合、今回のように「経営者が変わる」というのが一般論としては効果的なのです。
飯田)メディアを改革しようとすれば。
高橋)でも日本では、新聞社は買えません。世界に例がないのですけれども、「日刊新聞紙法」という法律があって、新聞社の出している株式には譲渡制限があるのです。だから買えません。
飯田)確かにそうですよね。海外では、「ワシントン・ポスト紙」をAmazon創業者のジェフ・ベゾス氏が買う例もあります。
高橋)通常なら株式は買えます。でも日本には、日刊新聞紙法という戦後にできた法律がある。
飯田)戦後にできた法律なのですか?
高橋)そうです。それで譲渡制限がかかっているのです。どこでもそうですが、新聞は代々オーナー家が決まっているでしょう。
飯田)確かにそうですね。
新聞社がテレビ局を持つ日本
高橋)そして、新聞社がテレビ局を持つでしょう。これは世界ではあまりない制度です。
飯田)よく「クロスオーナーシップ」と言われています。
高橋)日本というのは新聞社の株を持てず、そして新聞社がテレビを支配できるという、すごく変わった制度の国です。
飯田)そういう意味では、戦前の方がより自由ですね。
日本の新聞社は外資を買うことができるが、逆はできない
高橋)自由ですし、普通でしたね。特に新聞の話は、理屈がわからないくらいです。もちろん戦後に共産主義が出てきて、「守るため」という理由はあるのだけれども、未だにそれが存在するのは不思議です。例えば日経新聞などは外資を買えますけれども、逆はできないのです。
飯田)日経は確かに「英フィナンシャル・タイムズ(FT)」を買うことができました。
高橋)でもFTが日経を買うのは、法律上できないのです。
飯田)なるほど。株式の持ち合いはできないのですね。
高橋)そのくせ「コーポレートガバナンス」などと言う。コーポレートガバナンスは、実は所有者が変わることによってガバナンスが効くという概念です。
株式に左右されないので権力が集中してしまう
飯田)株式における政権交代が起こることで、いろいろなものがドラスティックに動いていくという。
高橋)それがまったくないでしょう。新聞社だと株式が関係ないから、社内ですごく力を持った人が出てくるのです。
飯田)権勢をふるうことが起こり得てしまう。
マスク氏のツイッター問題は日本に絡めると問題提起がたくさんある
高橋)イーロン・マスクさんの問題は、日本と絡めるといろいろなところで面白い問題提起がたくさんあるのです。
飯田)イーロン・マスクさんが他のメディアも買ったらどうなるのかと言う人もいます。
高橋)イーロン・マスクさんは海外の人ですし、日本のツイッター法人も関係があるでしょう。そこで何が行われるかをみていると、世界との違いがよくわかりますよ。
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