下院の多数派が共和党になり、今後は「停滞の2年間」となる米バイデン政権

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上智大学教授で政治学者の前嶋和弘が11月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。アメリカ中間選挙の結果と今後のバイデン政権について解説した。

2022年11月13日、日米首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202211/13asean.html)

「共和党圧勝」ではなかったが、下院は共和党が多数派 ~今後のバイデン政権の運営は困難に

飯田)アメリカ中間選挙についてですが、事前に言われていた「共和党圧勝」という予想からは、少し違う結果に見えましたが。

前嶋)8月ごろの世論調査と同じくらいです。8月ごろに何があったかと言うと、6月に最高裁では妊娠中絶について「州が禁止を決めていい」という判決を出しました。民主党はその判決に反対し、「何とかしなければいけない」と盛り上げたのですが、そこに戻った感じです。

飯田)8月に。

前嶋)トリガーだったのはやはりトランプさんです。最高裁の判事を任命したのはトランプさんなので、民主党側が危機感を強めたという形です。

飯田)トリガーはトランプ前大統領。

前嶋)とは言え、中間選挙はだいたい大統領の政党が議席を減らす傾向であり、これまでの中間選挙と同じように下院は共和党が勝ちました。共和党が下院の多数派になったので、今後、バイデン政権は政権運営が難しくなると思います。

バイデン政権のやりたいことは止まり、今後2年間は「停滞の2年間」となる

飯田)下院が共和党多数になると、どんなところがやりづらくなりますか?

前嶋)アメリカは日本よりもねじれやすく、大統領の政党の上下両院の多数派が1つでもひっくり返るとねじれるので、「ねじれ政府」になってしまうのです。“divided government”という言葉がありますが、簡単にねじれる。

飯田)ねじれ政府。

前嶋)昔はねじれても妥協できたのです。1980年代くらいは、票の貸し借りなどもあって問題がなかったのですが、最近は共和党と民主党が分極化し、分断しています。そして今回もそうなのですが、大接戦です。上院が50対50くらいですから。いまは50対49ですけれども。

飯田)ジョージアの結果次第であると。

前嶋)そう考えると、やはりバイデン政権がやりたいことは基本的に止まっていくのです。気候変動対策や増税などの動きが止まっていく。これまでは上下両院とも民主党が多数派だったので動いたけれども、動かなくなる。おそらく今後2年間は「停滞の2年間」となるでしょう。

下院も上院と同じように予算を審議するアメリカ

飯田)特に予算を握っているのが下院なのですか?

前嶋)日本では予算の先議権について憲法に書かれているのですが、アメリカの場合、下院も上院も同じように予算を審議するのです。その一角が共和党側になるので、それでは動かないという話になります。

飯田)しかも、妥協がなかなか許されない状況です。

前嶋)オバマ政権のときは、最初の中間選挙で共和党が多数派になり、状況が動かずに「オバマ政権は何もしなかった」と言われました。最初の2年間は、大型金融政策やウォール街改革など、いろいろなことをやりました。しかし、あとの6年間は再選しても動かなかったのです。

飯田)そうでしたね。

前嶋)バイデン大統領の場合は年齢のこともありますので、再選するかどうかはわかりませんが、似たパターンになる可能性はあります。トランプ政権も後半部分は、規制のところで、1つ増やしたら2つ減らすということくらいしかできませんでした。

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