キャスターの辛坊治郎が12月21日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。年間出生数の概数が初めて80万人を割り込む見通しとなったことについて、「コロナ対策で救った命の数より生まれてこなかった命の数が多いはずだ。日本政府はいったい何をしてきたのか」と苦言を呈した。
厚生労働省が20日発表した人口動態統計によると、今年1~10月の出生数は66万9871人と過去最少だった。このままのペースで推移すれば、今年の出生数は統計を取り始めた1899年以降、初めて80万人を割り込む見通しだ。2020年の婚姻件数が前年から激減したことが22年の出生数に影響したとみられる。
辛坊)日本にとって最大の問題は人口減少です。20日発表の人口動態統計は暫定数値ですが、出生数66万9871人というのは異常な少なさですね。例えば2015年までは100万人を超えていましたし、団塊の世代が生まれた頃は200万人を超えていました。なぜ、出生数がこんなにも減ってしまったかというと、大きな理由が2つあります。
1つは、団塊ジュニアが出産適齢期を過ぎつつあるからです。団塊ジュニアというのは、戦後のベビーブームに生まれた団塊の世代の子供たちで、その出生数はそれなりにありました。しかし、団塊ジュニアの子供たちが少ないんです。
もう1つが、団塊ジュニアが出生適齢期を過ぎつつあるところへ、新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけたためです。団塊ジュニアがカップルを見つけて子供を産もうとしているタイミングでコロナ禍に襲われ、出会いなどカップルになる機会を奪われてしまったわけですね。
日本では、フランスのようにシングルマザーが社会的に広く許容されているという土壌がありませんから、結婚せずに子供を産むことはなかなか難しいのが現実です。コロナのせいで生まれてこなかった子供の数は何十万人単位だと思いますよ。コロナの影響は大きいです。コロナ対策で救った命の数と、コロナ対策のせいで生まれてこなかった命の数を比較すると、コロナ対策のせいで生まれてこなかった命の数のほうが多いはずです。これは日本の将来にとって大問題ですよ。日本政府はいったい何をしてきたのでしょうか。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)