南米で左派政権が相次いで誕生 「民主主義は脆弱だが、大切なシステム」辛坊治郎が危機感

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キャスターの辛坊治郎が1月10日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。南米の国々で左派政権が相次いで誕生し、民主主義が脅かされていることをめぐり、「民主主義は脆弱だが、大切なシステム」と危機感を示した。

南米で左派政権が相次いで誕生 「民主主義は脆弱だが、大切なシステム」辛坊治郎が危機感

<ブラジル連邦議会襲撃>民主主義の危機、米に酷似  大統領府に侵入したボルソナロ氏の支持者ら=2023年1月8日、ブラジルの首都ブラジリア(ロイター=共同)撮影: ブラジルの首都ブラジリア

ブラジルでボルソナロ前大統領の支持者らが連邦議会や大統領府、最高裁を襲撃した事件をめぐり、警察は9日までに、合わせて約1500人を拘束した。ジノ法務・公安相は、支持者が全国からバスで移動するのを資金面で支援した人物がいるとして、支援者の特定を急いでいることを明らかにした。

辛坊)ブラジルでは22年10月、大統領選が行われ、決選投票で元大統領の左派ルラ氏が現職の右派ボルソナロ氏を破り、返り咲きました。得票率はルラ氏が50.9%、ボルソナロ氏が49.1%と僅差でした。このため、ボルソナロ氏の支持者は「不正選挙」を主張しました。この構図は、先のアメリカ大統領選と同様ですね。敗れたボルソナロ氏は、現政権からの摘発などから逃げるため、アメリカに滞在しています。そのボルソナロ氏は、今回の襲撃事件を非難するようなメッセージを発信していますが、本音は分かりません。

今、世界の経済などを見渡すと、中国の勢いが強いです。それを背景に、途上国の多くでは「民主主義国家は何年かごとに選挙があり、政権が変わることがある。そうなると、今までの生活が継続できなくなる恐れもある。ならば、中国のような独裁強権国家のほうが経済発展には役に立つのではないか」といった発想が広まりつつあります。実際に、南米の国々でも左派政権が相次いで誕生しています。

今やインターネットで全世界の国や組織、人々が自由に情報発信できる時代です。他国の選挙に介入し、自分たちに都合のよい政権を誕生させることも現実味を帯びています。民主主義国家は選挙で物事を決めますから、介入する側にとっては独裁強権国家よりもつけ入りやすいわけです。ですから、見えないうちに他国から世論誘導が行われ、選挙に介入されるということも十分にあり得る時代になってきたことに対する警戒感は必要です。

民主主義は完璧ではなく弱点もある脆弱なシステムです。先のアメリカ大統領選や今回のブラジル大統領選でも、民主主義の脆弱性は露わになりました。しかし、少なくても政治体制の中で「最もマシな制度」だということを、私たちは長い人類史の中で学んできました。ところが、1990年前後に共産主義国家が軒並み倒れて30年前後が経過する中で、中国の台頭などにより「共産主義はひどい」という印象がだいぶ薄れてきています。その結果として、ドミノ現象のように南米の国々などでは左派政権が誕生しています。

今回、ブラジルのような南米の大国ですら、力で政権をひっくり返そうという事態が起きました。民主主義にとって危険なことが全世界で起き始めていると感じます。私たちは民主主義という脆弱だけれども大切なシステムの上にいます。ですから、このシステムは大切にしていかなければならないのです。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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