台湾TSMCが日本に第2の工場建設を検討 その「背景」に何があるのか

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本に第2の工場建設を検討している台湾のTSMCについて解説した。

台湾TSMCが日本に第2の工場建設を検討 その「背景」に何があるのか

半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)のロゴの前を歩く男性(台湾・新竹市)=2021年1月29日 AFP=時事 写真提供:時事通信

台湾の半導体大手TSMCが日本で第2の工場建設を検討

半導体受託製造の世界最王手、TSMCの魏哲家・最高経営責任者(CEO)は1月12日の決算説明会で、日本に2番目となる半導体工場の建設を検討していると明らかにした。具体的な場所については言及しなかった。TSMCは現在、日本のソニーグループやデンソーと共同で熊本県に半導体工場を建設中。2024年末までの生産開始を予定している。

飯田)TSMCの持っている技術には、アメリカも非常に注目しているそうですね。

台湾侵攻の際、最初に狙われるのはTSMCの可能性も ~日本やアメリカにも工場をつくるのは当然のこと

宮家)もし中国が判断ミスをして日本の周辺で何か軍事的なことをやってきたら、台湾にあるTSMCの工場が世界で一か所だけであれば、それを取りに行くかもしれない。最初に狙うところの1つかも知れないです。

飯田)TSMCが。

宮家)となれば、仮に海上封鎖されて台湾本社から半導体を世界市場に出せなくなっても、他の手段でサプライチェーンを維持することを考えたら、ルールを守る日本やアメリカ、ヨーロッパに進出して工場をつくり、企業秘密を守りながら生産を続けるのは当然の話です。

岸田総理のG7各国歴訪と同じ方向性にあること

宮家)それは長い目で見れば、我々にとってもサプライチェーンを維持できることになり、経済安全保障につながっていく。そう考えると、いま岸田さんがG7各国を回っていることと、TSMCが日本の第2工場建設を検討することは、実は同じ方向性にあるのだと思います。

危険を分散するためにも第2工場はつくるべき

飯田)半導体の技術などをめぐっては、米中が角を突き合わせている分野の1つです。

宮家)幸い中国はまだどうしても追いつけないのです。台湾が優位を常に維持することを考えたら、危険を分散させる。その基本がうまく行われているような気がします。

飯田)TSMCによる。

宮家)その意味では、第2でも第3でも工場をつくってもらえばいいし、日本も同じような形で半導体作りを頑張ればいいと思います。半導体は大事ですから、技術的なリードと優位性を日本も維持して欲しいと思います。

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