偵察気球を巡る対立 「米中のホットラインは一番きつい時には機能しない」防衛研究所・高橋杉雄氏が指摘

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防衛研究所の高橋杉雄氏が2月14日(火)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。偵察気球を巡る米中対立について語った。

偵察気球を巡る対立 「米中のホットラインは一番きつい時には機能しない」防衛研究所・高橋杉雄氏が指摘

撃墜され、落下する中国の偵察用とみられる気球=2023年2月4日、米サウスカロライナ州沖(ロイター=共同)

『飯田浩司のOK! Cozy up!』月曜日~金曜日 6時~8時生放送

中国外務省の汪文斌副報道局長は13日の会見で「アメリカの気球が昨年1月から十数回、中国領空に不法に侵入している」と述べた。このニュースについて高橋杉雄氏は「そもそも気球は偏西風に乗って飛ばすもの。その場所よりも西側に飛ばさなくてはいけないのでアメリカから中国に飛ばすことはかなり難しい」と解説した。

さらに「仮に中国がアメリカの気球を見付けたとしたら、その段階で公表しているはず。今回の副報道局長の発言の信ぴょう性は低い」と指摘した。また連日、アメリカで気球が発見されていることについては「おそらくレーダーのモードを切り替えたからではないか。レーダーは鳥の群れや雲まで映してしまう。これまで気球のような脅威がないものは映さなかったのではないか。今回設定を変えたことでたくさん見付かった。そうなると以前から気球が飛んでいた可能性もある」と推測した。

さらに中国側が「気球は民間用だ」と発言したことについて「民間って誰なの?」と述べた。そして今後について「気球での対立を止めるには米中のコンタクトが必要。これまで米中の危機は何度かあった。例えば2001年、アメリカの哨戒機EP-3が南シナ海で中国の戦闘機と接触した事件。また2013年に中国のサイバー攻撃でアメリカ企業の秘密が盗み出された事件。2001年の時は中国側が電話を一切、取らなかった。担当者がどう答えていいのか分からなかったから。中国では上の指示がない限り、答えることは出来ない。米中のホットラインは一番きつい時には機能しない。2013年の時はオバマ(当時)大統領が習近平国家主席にサイバー攻撃を止めるように強く要求、その後実際に減った。だからどこかのタイミングで申し入れようという意図はアメリカ側にはあるはず。ただし中国側がアメリカも気球を飛ばしていると反論したということは、今後、米中対立がクールダウンしていく可能性は低い」と述べた。

偵察気球を巡る対立 「米中のホットラインは一番きつい時には機能しない」防衛研究所・高橋杉雄氏が指摘

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